6:名無しNIPPER[saga]
2015/10/12(月) 23:03:48.59 ID:Lch4ddxp0
「美波さんは、この映画みたいに、明日が最後の日ってなったら、ど、どうする?」
うかがうように小梅が訪ねる。
「うーん、考えてもみなかったな」
唇に指を当てながら美波はうなる。考え事をするとき、人差し指を唇に触れさせるのは、美波のくせの1つだ。
「しゅ、終末論、って言うのかな。この世の終わりにどうするか……どう裁かれるか……」
小梅の目は真剣そのもので、その目を見て、いい加減に答えるわけにはいかないな、と美波は思った。
「わ、私は、ゾンビになってみんなびっくりさせたいな、とも思ったんだけど……みんな滅んじゃったら無理だもんね」
悩んでる美波を見て、小梅が言った。助け船のようで、助けになってないような……そんな様子が愛おしい、と美波は思う。
目を閉じ、改めてうーん、と美波は小さくうなった。
「よし」
パッと目を開け、美波は小梅の目をじっと見つめる。
「大切なお友達と手を取り合って、大丈夫、明日は来るってお互いに励ましあおうかな」
うふふ、と美波は笑った。
「そのときに、一緒に手を取り合うために、今いる大切な友達を大事にしたいな。さっきは手を握ってくれてありがとう、小梅ちゃん」
美波の言葉に、小梅はかぁっと顔を赤くする。この愛おしい小さな友達を大切にしようと、美波は改めて思った。
「ミナミ、コウメ、おまたせしましたっ」
ちょうどきりの良いところで、スッキリした表情でアナスタシアが戻ってくる。
「あー、二人は、なに話してましたか」
アナスタシアの言葉に美波と小梅は顔を見合わせ、うふふ、と笑う
「ナイショ、かな」
「むー、ミナミ、ひみつ、よくないです。アーニャも、混ぜてください」
アナスタシアは唇を尖らせる。その表情がまたかわいらしく、美波と小梅はまた一緒になって笑う。
今度は小梅がポン、とソファーを叩き、一緒にお話しよ、と促した。
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