過去ログ - 千早「12色のクレパス」
1- 20
115:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 22:32:49.77 ID:wlnW7ggg0
 プロデューサーは私と違って、アイドル達に怒ることは滅多にありませんでした。
 あの子達がミスをしたり、先方に迷惑を掛けても、自ら頭を下げて、何も咎めず――。

 そんな彼のことを、優しい人だと思う子は多かったかも知れません。
 しかし――不信感を抱く子も、中にはいました。


 私が言うのもなんですが――怒るって、本気でやっているから怒るわけでしょう?

 全部、あぁいいよいいよで済ますあの人は、どこまで私達に対して本気なんだろう――。
 本当は私達のこと、どうでもいいと思ってはいないだろうか。

 それを一番鋭く感じていたのが、おそらく美希だったんだろうと思います。
 美希は、最期の日まで、あの人に心を開くことは無かったですね。


 美希の方こそ、当初はアイドルというものに対して、本気ではありませんでした。

 だからかな――他の皆とは一歩引いた視点で、あの子なりに彼を観察していたのかも。

 一見、熱心に仕事をしているように見えるけど、自身の本音の部分は見せていない――。
 そのことに、あの子は気づいたんですね。


 最初の感謝祭ライブの前だったでしょうか――美希は一度、事務所を飛び出しました。

 後から聞くと、プロデューサーを振り向かせるためだったそうです。

 ――あ、不純な意味じゃないですよ。
 カモ先生の前で、証言台に立たせて本音を徹底追及したかったの、と言っていました。


 詳しいことは、美希本人から聞いてほしいのですが――。
 その一件があった後、美希は、目の色を変えて仕事に打ち込むようになったんです。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
177Res/216.09 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice