過去ログ - 千早「12色のクレパス」
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140:名無しNIPPER[saga]
2015/10/25(日) 00:12:53.09 ID:WfReZCwA0
 そこで、またも問題が――誰が代表して描くのか、ということです。

 一応の発案者である私か、仕切り役の律子か、描くのを提案した高槻さんか――。
 誰か他にやりたい人は――と律子が問いかけても、誰も手を挙げません。


 そんな時、亜美が、何を思ったのか、突然クレパスの箱を私の手から奪いました。
 驚いて彼女の方へ振り返ると、何やら不敵な笑みを浮かべています。

 皆の兄ちゃんなんだから、皆で兄ちゃんを描こうよ。
 亜美は黄色ね。


 何と、亜美は皆で1本ずつクレパスを持って、皆で描くことを提案したのです。
 逆転の発想というのでしょうか。さしものあずささんも、驚いていました。

 亜美に言われるがまま、皆が1本ずつクレパスを取っていき――。
 遠慮がちで引っ込み思案な萩原さんの手元に渡った時は、白しか残っていませんでした。

 私、これで何を描けば良いんでしょうかと、なおも困惑した様子の萩原さん。
 誰かが失敗した時、白で修正してくれれば良いさ、と真がフォローしました。


 そういえば、真美は亜美の後ろで囃し立てていましたが、何も持っていません。
 12色しか無かったので、13人いると誰か一人は持たないことになるのです。

 どうするべきか、悩んでいると、真美は亜美のクレパスを取り、二つに割りました。

 これなら真美、亜美と一緒の色を持てるっしょ、と真美は得意気に胸を張ります。
 何という大胆かつ欧米的発想! と、亜美は面白おかしく真美を称賛しました。

 大事な会議にも関わらず、相変わらずの二人に、律子は呆れ顔です。
 目頭を指で押さえ、深いため息をついていました。



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