49:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 16:45:16.77 ID:wlnW7ggg0
目の前の三人は、なおも私にすり寄ってくれます。
私の気など、御構い無しに――疎遠となった私との間を、埋めたがるかのように――。
私は、やよいを突き飛ばしました。
私は、孤高であるべきなのです。
皆と馴れ合っていては、いめぇじが崩れるのです、と――。
迷惑なのだと――そう言い捨て、私は逃げるように屋上へ向かいました。
外へ出ると、日はとうに暮れ、月の明かりが煌々と夜の街を照らしています。
私は、月を見るのが好きでした。
どんなに辛く苦しいことがあろうと、月はいつも変わらぬ美しさで私を照らしてくれる。
時折、自分を見失いそうになる私に、進むべき道を明るく示してくれるものでした。
私は、間違ってなどいない――トップアイドルになるために――。
そうでなくては、あの方にプロデュースしていただいた甲斐が無い――!
一人、月を見上げ、しばらく経った時――ふと、後ろから声を掛けられました。
声を掛けた主は、私と同じく、もう学校には通っておりません。
ですが、当時の彼女は、ユニット以外での仕事は、お世辞にも多くはありませんでした。
競争を苦手とする彼女の性格は、仕事を積極的に獲得することに向いていないのです。
ちょっと、悩みを聞いてもらっても、良いかしら。
そう、彼女は穏やかに私に問いかけました。
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