過去ログ - 千早「12色のクレパス」
1- 20
87:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 19:05:17.69 ID:wlnW7ggg0
   わたしのお姉ちゃん
               高槻 かすみ

 お姉ちゃんは、朝早く起きて、わたしたちのごはんを作ってくれます。
 朝だけじゃなくて、自分のおべんとうや、夜ごはんも作ります。
 お姉ちゃんは、いつも元気で明るくやさしく、いるだけで部屋がポカポカします。
 わたしは、お姉ちゃんが作ってくれるごはんの中で、もやしが一番好きです。

 でも、最近、お姉ちゃんは毎日帰りがおそいです。
 学校に行った後、お仕事もあるからです。
 たぶん、お仕事がいそがしくて、大変なんだろうと思います。
 そういう時、お母さんが夜ごはんを作って、お姉ちゃんは一人でそれを食べます。
 わたしは、それを見て、お姉ちゃんはかわいそうだと思います。

 洗たくやそうじも、お料理も、勉強もお仕事も、みんなするのは、とても大変です。
 わたしは、お手伝いをすると、お姉ちゃんがほめてくれます。
 でも、お姉ちゃんをほめてくれる人はいません。

 だから、弟の長介が、たまにはお姉ちゃんをほめてやろうと言いました。
 ほめるのはえらそうだから、私は、いつもありがとうって言う方が良いと言いました。
 それで、その感しゃを伝えるために、料理を作ることになりました。
 お母さんに教えてもらい、わたしたちで練習したのです。

 わたしのお姉ちゃんは、みんなのアイドルです。
 でも、いつもみんなのことを考えて、みんなするのは、とても大変です。
 だから、ムリをしないで、たまには少しお休みしてね。
 わたしは、お姉ちゃんをポカポカとあたためる人になりたいと思います。


 小鳥さんが読み上げたのは、かすみの学校の宿題でした。
 いつの間にか、小さい春香さん達が私を囲んで、楽しそうに踊っています。

 実はこの舞台、プロデューサーと伊織ちゃんと、弟達が企画したドッキリだったんです。
 家や事務所で働いている私を、ほめたり、ありがとうって言いたかったんだって――。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
177Res/216.09 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice