9:商業科生
2015/11/01(日) 23:00:21.91 ID:lOwjkEXl0
「八年間もランドセルなのか・・・?」
せめて寝ている時だけでも・・・
起こさないようにそっと隣に入る。
「夢くらい、いい夢の方がいいよな」
そっと頭をなでるしぐさをする。
やはり透けてしまう。
「・・・おやすみ」
「おはよう」
「おはよぁ・・」
「途中であくびしたな?」
「う、うん・・・」
ランドセルだから表情は読めないが、おそらく恥ずかしがっているのだろう。
「そういえば、ゆうくん、学校は・・・?」
「今日は祝日だから休み。ゆっくり寝てなよ」
「うん・・・」
「・・・」
「ゆうくんも一緒に寝よう・・・」
「え?い、いや・・」
「なんで?やっぱり、ランドセルとじゃいや・・・?」
泣きそうな声になる奈緒。
「ち、ちげーよ!」
むしろ、昨日の姿を見て、朝、冷静になってから、恥ずかしくなっただけだ!
「・・・なんて言えねーよなぁ」
下手に期待をさせてもかわいそうだし。
どうにかして元に戻してやりたい。
下心抜きにして。
困ってる女の子を助けたいなんて、男ならだれでも思うことだろう?
「なぁ、奈緒」
「!な、なに・・・?」
突然名前を呼ばれ、緊張する奈緒。
「俺は・・・」
「・・・」
「・・君が大事だ。君の本当の姿も取り戻してあげたい。戻れなくても、ずっと一緒にいてやる」
「・・・それ、私も考えたの」
「え?」
「私が戻れなくてもずっと一緒にいるってこと・・・やっぱり、それはやめようと思うの」
「な、なんで・・?」
「・・・」
「俺、なんかした?」
「違うの。ゆうくんは私なんかに優しくしてくれて・・・こんな姿じゃ何もできないのに・・」
「じゃあ、なんで・・・」
「ゆうくんは私なんかにはもったいないよ・・・もっといい人がいるはずだよ。だから私なんかにこだわらないで、好きな人を見つけて普通に結婚して?」
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