過去ログ - 贖罪の物語 -見滝原に漂う業だらけ-
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名無しNIPPER
[saga]
2016/06/05(日) 19:21:07.95 ID:UaoAV2yRP
沙々は呆れ返ったように頭を掻き、深い深いため息をつく。
沙々「あのなぁー、私は責任とか義務とか・・・。そういうのが大っ嫌いなんだよ」
沙々「後生の想いを託されるなんてまっぴらです」
それはようやく沙々が見つけることができた、自分自身の心だった。
沙々「マツリさんの希望はマツリさんだけのものです。
それと同じように、私の絶望だって私だけのものです」
沙々「私は脱落しちゃったけど・・・。
マツリさん、あなたは最後まで生きてください。
私みたいなクズに気を取られて、自分の誇りを見失わないでください」
沙々はやっと素直に笑うことができた。
それはそれは、小憎たらしい笑い方だったけれど。
沙々「きっと、魔法少女という存在は。マツリさんみたいな人のためにあるんだから」
マツリ「・・・!」
沙々は歩み出す。
彼女は一歩一歩と確実に自分の足で進み、光差す世界へ向かう。
地下室の出口のドアに手を掛けた沙々は、こう言った。
沙々「ありがとう、マツリさん」
マツリ「!!」
振り向くことなく出ていく沙々の背中へ向けて、
マツリは大きな声で応えた。
マツリ「うん、どういたしまして!」
魔法少女、優木沙々の物語は。
こうして静かに幕を下ろした。
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