過去ログ - 贖罪の物語 -見滝原に漂う業だらけ-
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351:名無しNIPPER[saga]
2016/06/05(日) 19:21:07.95 ID:UaoAV2yRP

 沙々は呆れ返ったように頭を掻き、深い深いため息をつく。



沙々「あのなぁー、私は責任とか義務とか・・・。そういうのが大っ嫌いなんだよ」


沙々「後生の想いを託されるなんてまっぴらです」



 それはようやく沙々が見つけることができた、自分自身の心だった。



沙々「マツリさんの希望はマツリさんだけのものです。

    それと同じように、私の絶望だって私だけのものです」


沙々「私は脱落しちゃったけど・・・。

    マツリさん、あなたは最後まで生きてください。

    私みたいなクズに気を取られて、自分の誇りを見失わないでください」



 沙々はやっと素直に笑うことができた。

 それはそれは、小憎たらしい笑い方だったけれど。



沙々「きっと、魔法少女という存在は。マツリさんみたいな人のためにあるんだから」


マツリ「・・・!」



 沙々は歩み出す。

 彼女は一歩一歩と確実に自分の足で進み、光差す世界へ向かう。


 地下室の出口のドアに手を掛けた沙々は、こう言った。



沙々「ありがとう、マツリさん」


マツリ「!!」



 振り向くことなく出ていく沙々の背中へ向けて、

 マツリは大きな声で応えた。



マツリ「うん、どういたしまして!」



 魔法少女、優木沙々の物語は。

 こうして静かに幕を下ろした。



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