過去ログ - 贖罪の物語 -見滝原に漂う業だらけ-
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448:名無しNIPPER[saga]
2016/09/11(日) 23:31:44.20 ID:zRoIW5BFP

 織莉子は見滝原市の街並みに背を向け、奥で控える海香に歩み寄った。



織莉子「ありがとう、海香さん。これが報酬よ」



 織莉子は海香に、野球ボールほどの大きさのグリーフキューブを手渡す。

 それは沙々の操っていた大型の魔獣が落とした物だった。

 海香はそれをしばし鑑定するように眺めた後、さも大事そうに懐に仕舞う。



海香「確かに受け取ったわ」



 そのやり取りを眺めていたカオルが、後ろ髪をひかれるような思いで口を開く。



カオル「織莉子先輩、本当に私たちは行ってもいいのか・・・?」


織莉子「あなた達の友人が回復した以上、あなたを繋ぎ止めることのできる理由は無いわ。私たちの同盟もここまでね」


カオル「でも・・・」


織莉子「見滝原を覆う影の正体を解析してくれただけで十分よ。

     それに私の目的は調査だったのだから。私もこれで、任務完了よ」



 織莉子は静かに笑い、ペコリと頭を下げた。



織莉子「短い間だったけれど、ありがとうカオルさん。あなた達の友人にもよろしくね」


カオル「・・・」



 歯を食いしばるカオルに海香は語り掛ける。



海香「カオル、目的を見失ってはダメよ。私たちは2つの物を同時に守れるほど強くない」


カオル「わかってるよ・・・」



 カオルは織莉子に力強く頭を下げた。



カオル「短い同盟だったけれど、ありがとうございました織莉子先輩! 何かあったら呼んでください!」


カオル「あなたの友だちとして、いつでも駆けつけます!」



 織莉子は口元に手を当てて笑った。



織莉子「ええ、頼りにしていますよ」




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