43: ◆eO0MHGE6wPTj[saga]
2015/11/10(火) 23:49:09.85 ID:hXnjM4nD0
「あとは、えぇと……」
「凛、大丈夫だよ。2人も3人も大して変わらないからさ」
「〜〜っ!」
俺がそういうと、唇を噛みながら、凛は顔を真っ赤にしてそっぽを向いてしまった。
「見栄を張っちゃう気持ちも分かるよ。うん」
「うるさい」
「まぁまぁ、ごめんって」
「うるさい」
「言い過ぎたよ、ごめんって」
「……3人にする」
「え?」
「3人にする、連絡先教えて」
な、なんだと?
俺が、この俺が所謂JKと連絡先を交換?
信じられない。
なんせ俺は、例えるなら、登校中の小学生におはよう、と挨拶をするだけで学校で不審者扱いされて注意喚起が起こってもおかしくないレベルに変なオーラを
撒き散らしているんだぞ。
そんな一緒にいるだけで不幸になりそうな俺と連絡先を交換?
なかなか面白い事を考える人もいたもんだ。
「あぁ、いいよ、そこに携帯入ってるから、勝手にやっちゃって」
「うん、ありがとう」
もしかして、これは凛なりのコミュニケーションなのだろうか。
確かに凛は不器用そうだ。
でも、それなりの努力はしているのかもしれない。
凛は俺と似ていると言っていた。
確かに俺も似てるかもしれないと思った。
しかし、凛がこうしてまでコミュニケーションを取ろうとしているのに、俺は何をしているのだろうか。
成り行きとはいえ、俺は凛のプロデューサーじゃないか。
俺だって、出来ることをやっていかないと、凛のプロデューサーだ、なんて言えないよな。
少し、少しずつでも、頑張ってみても、良いかもな。
これから俺の大切な相方になるであろう、この渋谷凛のためにも。
そこからの事は、必死だったからか、よく覚えていない。
何をしたかは覚えてないが、凛曰く、俺は凛のご両親からえらく気に入られたらしい。
俺は何をしたんだろうか。
それでも、頑張った結果、いい方向に動いたのであるならば、それは間違いなくプラスだ。
そう思った。
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