45: ◆eO0MHGE6wPTj[saga]
2015/11/12(木) 18:13:49.40 ID:Y83640dA0
「あ、待った? ごめんごめん」
俺が約束の時間に事務所の一室に行き、しばらく待っていると、目的の人物がやってきた。
「大丈夫ですよ」
今やってきた彼女は北条加蓮。
見た感じは今どきの女の子という感じだが、なぜか親近感を持てる存在だった。
絶対話せないと思っていた人と意気投合した時の安心感は体験しないと分からないだろう。
「そんな、敬語やめてよ、話しずらいからさ」
「え、あぁ、ごめんごめん」
敬語を指摘され、すぐさま直す。
「それで? 私に話しってなに?」
「いや、それが、最近の業務成績不振に悩んでて」
「そんな難しいことを女子高生に相談するって、変わってるね」
「仕方ないだろ、小学校から大学まで友達が1人もいなかったんだから」
普通に正論を言われてしまった。
「え、そうなんだ。でも、私も小学校とかはあまり友達いなかったかな」
「へぇ? そうなの?」
割と意外だ。
あの奈緒って子と普通に仲も良かったし、性格も良いのに。
「うん、体が弱くて入院が多くてさ。やさぐれてた時期もあったくらいだしね」
「そうだったんだ。それは災難だったね」
俺と違って原因は仕方の無いことだ。
人間性の問題ではなかったらしい。
「今が楽しいからいいんだけどね。あ、プロデューサーは、凛のプロデューサーなんだよね?」
「え? そうだけど」
「凛ってどんな子なの? 話してみたいんだけどさ、なんか怖くて」
「あぁ、分かるよ。でも、凄く良い奴だから、絶対友達になれると思うぞ」
「ホントに? なら、話してみようかなぁ」
「俺からも頼むよ。凛、この事務所で俺しか話し相手がいないんだ」
凛には友達を作って欲しい。
でも、凛自身がそれを諦めてしまっているから、誰として声をかけようともしない。
そんな状況が続いていたら、この先も不安だ。
今のうちからそんな性格を直していく必要があるだろう。
「そっか、わかった」
「おう、ありがとうな」
「それで、業務成績がどうしたの?」
「あぁ、その話なんだが、加蓮のプロデューサーは、どんな仕事を良く取ってくるんだ?」
仕事選びから俺は間違えている気がしたので、根本的なところから聞いていく。
「そうだなあ、インストアライブとか、小さいイベントとかが多いかな、最近は」
「やっぱり、そういう仕事が多いんだろうな。俺もそういうジャンルに絞ってみよう」
そんな話をしていたときだった。
100Res/117.73 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。