94: ◆eO0MHGE6wPTj[saga]
2015/11/23(月) 18:54:25.82 ID:CpNXT5fc0
「お疲れさまでしたー」
「お疲れさまでーす」
凛が目を覚ましてから3か月。ようやく凛は仕事に復帰した。
復帰後初の仕事は、俺が企画し、実現させたユニットの1つのお披露目会を兼ねたトークショーだった。
その名も『ニュージェネレーション』
この名の由来はいたって簡単だ。
卯月、未央、そして凛全員が、これからのアイドル界に新時代を巻き起こす。
そんな意味だ。
そのお披露目会兼トークショーは大成功と言っても過言ではなかった。
未央と卯月には元々ファンがいたため、そこからの集客が大きかったのだ。
それでも、見に来ている人たちは、凛に興味を 持ってくれた。
これからもっともっと飛躍できるだろう。
「おつかれ、みんな」
「あ、プロデューサー! いやあ、疲れたけど、お客さんいーっぱい、来てくれてたね!」
「そうだな、初めてのイベントなのに大したもんだよ。こっからもっともっと頑張っていこうぜ」
「もっちろん!」
「プロデューサー、電話鳴ってるよ」
「お、サンキュ、凛、ちょっと電話してくるからみんな着替えといてくれ」
そう言って控室を出た。
スマホのディスプレイを見ると、部長だった。
「はい、もしもし」
俺が電話に出て、部長から聞いたことは、とても喜ばしいことだった。
「はい、はい、わかりました、ありがとうございます!」
電話を切った後、俺は喜びをどこにぶつければいいのか分からなかった。
部長が話したことは、俺が加連と約束したことだった。
ユニットのもう1つ。
凛、加連、奈緒によるユニットを組むこと。
こちらは全員が元々人気が大きい訳ではなく、一筋縄ではいかないと思っていた。
それでもGOサインを出してくれた部長には感謝しても感謝しきれない。
このユニット名は『トライアドプリムス』だと決めている。
意味なんて、語るまでもないだろう。
さて、これを凛にどう伝えるかな。
いつかのような考えだ。
あの時こそ、あの後のことは考えたくはないが、今は違う。
控室に入れば凛がいる。
あの時のようなことはもう起きないんだ。
そう思うと、また喜びが込み上げてきた。
よし、すぐにでも伝えよう、この素晴らしいことを。
意気揚々と、それも 蹴破るかのように、ドアを開けた。
電話に出る前に自分が何を言ったかも忘れて。
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