過去ログ - やはり俺では青春学園ドラマは成立しない 2
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名無しNIPPER
2015/11/04(水) 15:26:39.64 ID:ez7sk1RJ0
――――生まれた時から今に至るまで、陽乃は無視されるということを一度として経験していない。
両親も周囲の人間も妹も、皆が陽乃に注目していた。彼女の美貌と才能とカリスマ性が人の視線に晒されないことはない。
だから陽乃にとって、八幡の冷ややかな態度は初めての経験だった。
好かれることがほとんどだった。嫌われることも少ないながらあった。けれど…………興味を抱こうとしない人間は比企谷八幡以外、誰一人としていなかった。
それほどの異端を、奇跡を、凡百と同じように自分の思い通りになるよう支配する? 奉仕部の目的である真人間化に協力する?
そんなもったいないことできるわけがない。
八幡の人格は改善しない。気が済むまで虐め尽くす。――――陽乃は決心を固めた。
陽乃「まず何をしようかな……? 比企谷くんが一番嫌がりそうなことは――――遊び好きなタイプの女の子で囲って逃げ場を無くすことかな。だけど邪魔が入るのは嫌だなあ……。最初だし二人っきりでデートしてあげよっか。彼を捕まえておくくらい、他人を使わなくても私一人で十分ね」
陽乃は僅かに残ったコーヒーを喉に流し込み、伝票を手に取って、自分と八幡の注文を清算する。その内心、陽乃は八幡を賞賛していた。
今回の食事、次回のデート、どちらも陽乃からの誘いだ。まさかあの雪ノ下陽乃がここまで他人に『奉仕』することになると、誰が予想できただろうか。
雪ノ下陽乃は比企谷八幡を特別だと思っている。もしかすれば、好意すら抱いているのかもしれない。
――――――――だけどもたった一つだけ、陽乃は八幡について誤解していた。
陽乃は誰よりも比企谷八幡の精神を理解している。恐らく、本人である八幡以上に。いくら八幡が嘘や秘密をしようと、それを見抜く自負が陽乃にはある。
だから陽乃は八幡を玩具扱いしている。何があろうと八幡を扱い切れる自身があるから。
陽乃は気付いていなかった。――――玩具は扱い方を少し間違うだけで、凶器になってしまうことに。
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