過去ログ - 勇者「デブと一緒に旅に出ることになった」
1- 20
127: ◆LsZ4kFgXss[saga]
2016/01/06(水) 21:56:12.57 ID:C5vFH3vOO
〜駄菓子店〜

老婆エルフ「寄ってらっしゃい見てらっしゃい、百年の歴史を誇る老舗だよ!」

ソラト「これってもしかして温泉まんじゅうじゃない? 買ってよ、ねぇ!」

老婆エルフ「試しに一個、どうだい」

ソラト「ありがとうございます! ……もきゅもきゅ。ん〜! あまぁ〜い!」

勇者「ほほぅ、小豆に甘さが凝縮している。
見事な職人技だ」

ソラト「買ってよ! 買いなさいよ! あとで半分分けてあげるから!」

勇者「調査はどうする」

ソラト「食べながらでもできるでしょ! 皇妃の命令よ、購入なさい!」

勇者「皇帝といいお前といい、自分の意見を押し通したい時はすぐ、権力を振りかざすんだな。似た者同士って奴か」

ソラト「あんなのと一緒にするな!」

勇者「あーはいはい、了解しました。女騎士、皇帝から貰った金貨あるか?」

女騎士「ありません。使い果たしました」

勇者「千枚近くあったろ? 」

女騎士「五百枚で必需品を購入したのですが、残りを魔将軍の買い物代に肩代わりしてしまいました」

勇者「うーん、お前は阿呆なのかな?」

女騎士「申し訳ございません、敵の顔を知らなかったもので。国家の柱である騎士たる者が、国民を支えずしてなんたるかと……」

勇者「それは立派な心がけだが、俺のパーティーで金銭を管理する以上、魔王討伐に関係のない出費は控えてほしいものだね」

女騎士「すみません」

勇者「今回の件は水に流すけど、もうお前も大人なんだからさ。これをしたらどうなるかとか予想して行動しような」

女騎士「すみません」

勇者「ま、いいだろう」

ソラト「随分と調子乗ってるわね、あんた」

彼らが揉めている間に、店内では別の争いが繰り広げられていた。
店主が皺だらけの額に青筋を浮かせ、フード姿の客に唾をぶちまけている。

老婆エルフ「あんだって!? お前さん、これ全部買い占めちまうのかい!?」

ジャラール「そうだ。店内にある温泉まんじゅう、煎餅、カステラ、その他菓子類を全て買い取らせてもらう」

ジャラール「看板には、個数制限など書かれていなかった。金ならある」

老婆エルフ「常識ってもんがあるだろう! お前さんのせいで、残りのお客さんが売り切れの憂き目を見ることになるんだよ!」

ジャラール「俺は妹を救わねばならん」

老婆エルフ「知らん! 帰れ!」

ジャラール「それが客に対する態度か」

老婆エルフ「お前さんこそ、礼儀知らず常識知らずの野蛮人だね! まるでドブエルフみたいだよ!」

ジャラール「ああ、そうさ」

老婆エルフ「は?」

ジャラール「俺はドブエルフだ。貴様らが忌み嫌っている、穢れた種族だ」

ジャラールは右手を老婆の顔にかざした。
手の中で闇の波動が渦巻く。
直撃すれば、死は免れない。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
157Res/227.16 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice