過去ログ - 勇者「デブと一緒に旅に出ることになった」
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129: ◆LsZ4kFgXss[saga]
2016/01/09(土) 22:11:52.04 ID:BFGl8TpHO
女騎士は後退してエルフから距離を取ると、聖剣を縦と横に振り抜いた。
剣光が刃となり、商品棚の商品棚を破壊し尽くしながらジャラールへ襲いかかる。
ダークエルフも胸の前で十字を切り、素早く呪文を唱えると細剣を斬り上げた。
細長い紫色の稲光が、女騎士へ無数に手を伸ばしてほとばしる。
必殺の上位黒魔法・Amethyst Lightning。
ダークエルフの精霊石であるアメジストから得た膨大な魔力で、一気に蹴りをつける。
身体に触れれば勿論、灰燼に帰すのみ。
紫電と白光の激突で生まれた衝撃波が、疲労困憊な戦士達を吹き飛ばす。
窓ガラスが悲鳴と共に砕け散る。
辺りに立ち込める硝煙の匂い。
ジャラールが顔を上げた時、真っ先に目に入ったのはマシンガンの銃口であった。

ノワイユ「はい、そこまででござる〜」

マシンガンを抱えているのは、若草色の髪をリボンでまとめたハイエルフだ。
こいつが、今のハイエルフの頭領か。
ダークエルフは討つべき存在、侵略者だと曲がった教育を受け続けてきたのだろう。
ジャラールは悔しそうに歯を噛み締め、憎悪の孕んだ目で睨みつけた。

ノワイユ「あらあら〜そんな目で見ちゃ怖いでごさる〜。現在、お主の命はそれがしが握っているのでござるよ〜? もっと大人しくできないのでござるか〜」フフフ

ソラト「あの……ノワイユさん? どうしてここに?」

ノワイユ「他のお客様から温泉街で騒ぎが起きていると、知らせがあったのでござる〜。予想通り、やはりファルトゥミシュ家のご子息でしたか〜」

勇者「ふぁ、ふぁる? あんだて?」

ソラト「ファルトゥミシュ家よ。どうやらダークエルフの一族みたいね」

ノワイユ「ご名答〜。ダークエルフの中で最も力を持つ一族でござる〜。昔から長男のジャラールッディーンはやんちゃでしてね〜。時々ちょっかい出してくるんでござるよ」

ジャラール「オデ! イモチョ! ビョキ!」

勇者「お、おお。いきなりどうした」

ノワイユ「申し訳ござらんが、何言ってるのか理解不能でござるねぇ〜」

最後の賭けである人語すら通用しなかった。
ジャラールは絶望的な気持ちだった。
これさえ覚えておけば人間との対話は問題ナシ、という単語帳で練習したのに。
筆者がダークエルフであるだけに、その内容はやはり薄かったらしい。
話が通じるなど、夢のまた夢だった。

ジャラール「おい、ノワイユとやら」

ノワイユ「ん〜? 下等種が何の用で〜?」

ジャラール「オレの言葉を通訳しろ」

ノワイユ「良いでござるよ」

勇者「おい、今そいつと会話していたみたいだが、何て言ってたんだ」

ノワイユ「殺してくれ、と。自分みたいな雑魚は生きてるだけ無駄だと」

勇者「ふむ、確かにそうだ。ダークエルフは魔王の眷属だもんな。やっちまえよ」

ノワイユ「はいでござる〜」ルンルン



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