過去ログ - 勇者「デブと一緒に旅に出ることになった」
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146: ◆LsZ4kFgXss[saga]
2016/01/29(金) 21:59:14.32 ID:HkpUcmewO
教皇「君が、受験番号32571だね?」

少女「ひゃッひゃいッ!」

教皇「……ふむぅ、確かに賢そうな顔をしている。おめでとう、君は今回の試験をほぼ満点で通過した天才だ。是非、未来の枢機卿と握手願いたいのだが」

少女「ふぇ!? ま、まま満点だったんですかッ!? ど、どうぞよろしきゅ……」

緊張で震える彼女の手を、教皇は神の慈愛を以って優しく包み込んだ。
凝り固まった心が、時が経つごとにほぐされ、光の中へ溶けてゆく。
教皇は愛娘に向けるような眼差しで、滔々と少女へ語りかけた。

教皇「ちと、頼みたいことがあるのだよ」

少女「た、頼みたいこと……ですか?」

教皇「本来ならば寄宿舎に入って、神の教えや様々な作法を学んでもらうところだが……君の成績を見て確信した」

教皇「この成績ならば、きっと勇者の供をさせても十分だろう、とな」パチン

教皇が指を鳴らす。
少女の前に進み出たのは、自分を試験会場まで案内してくれた、あの少年だった。
双方、驚きのあまり声も出ない。

少年「……おめでとう、僧侶科にトップで合格したんだね」

少女「……あなたは」

少年「受かったよ。ギリギリだけどね」

少女「じゃ、じゃあどうして職業が勇者なんですか? 合格したならお姉様と同じ魔導師になれたはずですよ!?」

教皇「私が許さなかった。この男、タトパルには『主』の加護がある。勇者としての天性の素質がある」

少女「そんなの、分かりっこありません」

教皇「昨夜、枕元で『主』が仰られた。受験番号13131。この者が初代勇者となり、大陸西端の大国・ザセックスを滅亡せしめ、我が神聖帝国に巨大な富と繁栄をもたらすであろう……と!」

少女「う……」

教皇「昼食後に教皇庁へ来たまえ。初代勇者の叙任式を行う」

少女「勇者様はそれでいいんですか? せっかく勉強して試験に合格したのに、お姉様と会えないんですよ?」

少年「ああ、その点なら大丈夫だ。だって……」

魔法使い「ボクの弟はどこだい!? 勇者に任命された、ボクの片割れはどこに行ったのだい!? やっと二人きりで旅できるんだ、かくれんぼはもうよそうじゃないかぁ!」

少女「探してますねー」

少年「僧侶代表は君、魔導師代表は僕の姉さん。みんな教皇様のお計らいによるものさ」

少女「魔導師長が抜けて大丈夫なのでしょうか……ちょっと心配です。そもそも勇者なんて新しい職業を創設した理由が不明ですし……」



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