過去ログ - 勇者「デブと一緒に旅に出ることになった」
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◆LsZ4kFgXss
[saga]
2016/02/11(木) 19:48:25.87 ID:mHwXCCcwO
〜温泉街〜
少女エルフ「イヤーッ! 露出狂よ! 全裸の露出狂が街で暴れ回ってるわ!」
勇者「違う、違うんだ! 俺達は仲間を探していて、それでひょっとしたら温泉街にいるのではないかと……」
少女エルフ「イヤーッ!」ダダッ
勇者「ああ、逃げられてしまった……」
デェブ「無理もないよ。だって僕ら、こんな格好なのだからね」
ハゲ「一刻も早くソラト殿と女騎士殿を見つけねば、今度はこちらが不審者として成敗されてしまいますぞ」
勇者「ふぅむ……ならば仕方ない」
皇帝「どうする? 人を雇うか?」
勇者「それじゃ、間に合わねぇ。強行手段を取るぞ、テメェら」
勇者「旅行店、食堂、駄菓子屋、漆器店、もう種類は問わぬ。片っ端から全部侵入して、ソラトと女騎士を引っ張ってこい!」
デェブ・ハゲ・皇帝「応ッ!!」
ノワイユ「させないでござるよ」ジャキ
勇者にマシンガンの銃口を突きつけたのは、ハイエルフの長・ノワイユであった。
若草色の髪をリボンでまとめ、浴衣でなく物々しい鎖帷子を着込んでいる。
彼女の背後には、同じくマシンガンを構えた兵士が延々と続く。
ピリピリと肌が痛むのは、彼らの放つ静かな殺気がゆえか。
明らかなのは、勇者一行が芳しくない状況に置かれていることのみ。
勇者「よ、よぉ……ノワイユ。ダークエルフ戦以来だな。そんなに武装して、厳めしい部下を何人も連れてどうした?」
ノワイユ「ここらに変態がいると聞いたのでござるよ。相当腕の立つ、女神の加護を受けてる、偉大な偉大な変態でござる」
皇帝「そして、失われた物を取り戻しにゆく、勇敢な変態達じゃ」
ノワイユ「えっ」
ハゲ「ご心中お察ししますぞ。友人とも呼べる人間の代表が、全裸で温泉街を全力疾走する。確かに失望しても仕方がない。ですが、こちらは一大事なのです」
ハゲ「皇帝の奥方と騎士殿が謎の失踪を遂げた。今ここでノワイユ殿に足止めを食らっている間にも、刻一刻と彼らは死へ近づいている……かもしれないのです!」
勇者「見捨てるわけにゃいかねぇよ。大切な仲間を犬死にさせるのが、勇者のやることか? 否々! あり得ぬよ!」
ノワイユ「ですが全裸のままはちょっと」
勇者「ああ止めてくれるな、ハイエルフの長とやら。この全裸が気に入らぬとあれば、ソラトと女騎士を救った後、存分に処罰するといい。だが、だが今は! ……これも正義のため、仲間の命を絶やさぬため。立ち塞がる者は全て斬って捨てる!」
デェブ「そうだぞ! ヴォイ、耳長ござるババア。君に決意を固めた変態を蜂の巣にできるか。撃てるもんなら撃ってみろ! ケツ晒してやっからよ〜ッ!」
勇者「いや待て、それはやり過ぎだ」
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