過去ログ - 「偽りだらけの魔王討伐、始めました」
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14:名無しNIPPER[saga]
2015/11/08(日) 19:26:55.09 ID:kiKX5uP40
――領主居館――

(侍従Eとは港で別れ、居館に戻る。広い玄関に這入ると、男の一団と鉢合わせた)

男=上質な衣装=領主(?)「おや、いったい何処においででしたかな。神官様の具合はいかがかと、これよりお見舞い申し上げようと思っていたのですが」

「なに、少し街をぶらついていただけです」

(領主(?)の一団と、勇者たちの部屋へ向かう)

「やはりこの都市は豊かですな。港なども拝見致しましたが、あれほど活気に満ちたものはここを置いて他にない。領主殿の手腕が偲ばれます」

領主(?)「いやいや、私などとてもとても。父から家督を受け継いで二十年余りになりますが、これがなかなか思い通りにならないものです」

「ご謙遜なさるな、あれほど巨大な船ははじめて見ました。聞けば領主殿手ずから経営なさっている港湾組合のものだというではないですか。船乗りも、なぜか領主殿の船には海魔が寄り付かないと感心しておりました」

領主(?)→領主「はは、女神様の加護あってのものです、我が信仰に、情け深くも慈悲を垂れてくださっているのでしょう。私などには恐れ多いことです。是非、明日の船出を(…)様や勇者様にご覧いただき、女神様から航海無事の加護を賜りたく思うのですが」

「勿論です。私も海運事業の真似事をしているのですが、海魔のため沖まで出られませんので、あんな大きな船などとてもとても。もっぱら小舟で沿岸に張り付いているような有様で、それでは海路を選ぶ利点がない。陸路では運べぬものを運ぶなら、やはり大型の艦船でなければ」

領主「ほう。陸では運べぬもの、とな」

「私の祖父が存命だったときは、私どもにも女神様の加護があったのか、領主殿のように海魔の被害を受けなかったらしいのですが。是非私も、亡き祖父が賜っていたという女神様の寵愛を取り戻したいものです」

領主「お祖父様が身罷られたのは十年前でしたかな。私も若い折、お祖父様には大変お世話になったものだから、あの方のお孫様である(…)様の苦労なさっている姿を拝見するのは心苦しい……」


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