過去ログ - 「偽りだらけの魔王討伐、始めました」
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名無しNIPPER
[saga]
2015/11/08(日) 19:44:11.37 ID:kiKX5uP40
「よし。お前の演説はすべて筆写している。これで明日には王国全土に行き渡る」
(湧き上がる歓声を背に、男が壇上から降りてくる)
男=勇者「これで、本当に上手くいくのか? こんな、ただの言葉で」
「上手くいかせるのが俺の仕事だ。この国の人間にとって、勇者の言はそれ自体が法のようなものだから、強引に事を進めてもさほど問題ない。ついでに他国にも波及すればなおよし、だ」
勇者「本気で、やるつもりなのか。たしかに広場の皆は歓声を上げているが、だからといって、皆が皆、遺恨を捨てられるわけじゃないだろう? 異種族排除は我が国の国是で、皆そうやって今まで生きてきていたんだから」
歩いてくる女=騎士「人の心はそう簡単には変わらんぞ。こんな急激なやり方で、民がついてくると思っているのか?」
「別に、そんな大層なことをやるわけではないだろう。異族を見つけ次第殺す、なんていう馬鹿騒ぎをやめるだけだ。種族が違っても、敵対していなければ、どのような関係であれ大差ない」
(都城の中を歩く。傍らの従者Eは外套を身に着けていないから、誰もが侍従Eを見る。神官が侍従Eを隠すような位置にいる)
騎士「……どうしてそこまで、異族との関係改善に固執する。領主の居館に踏み込んだ時、領主が――元、領主か――言おうとしていたことと関係があるのか。お前の祖父がどう、とか」
「もともと、異族売買は俺の爺の商売だったのさ」
騎士「なに――」
「十年前に叩き斬ってやったんだが、おかげで詳しい商売の中身もわからずじまいでな。超大型船を使っていたのは分かったが、それ以上はお手上げだった。一族内での実権掌握にかかずらっている間に、もともと商売の実務者だった領主に締め出された、というわけだ」
(侍従Eを見遣る)
「爺は異族を売るだけではなく、自分でも囲っていた。爺を殺したとき、その場に居合わせた異族のうちの一人が、こいつだ」
(侍従Eがほんの少し、頭を下げるようにする。神官も目を伏せ、騎士も俯いている)
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