68: ◆d0hZ1USyYNJW[saga]
2015/11/10(火) 23:40:07.97 ID:Dc1LICFP0
モバP「社長、今日はありがとうございました」
社長「いやいや、というより久しぶりにあったというのにすまないね…辛気臭い話をしてしまってね。…それで、これから君はどう生きていくんだい?」
モバP「…どうあがいても、僕はクズですから。これからはそんな自分を受け入れるしかないかなって思います」
社長「クズか…ただただ人間らしいだけだと思うがね。人なんてものは皆自分が一番可愛いもんだろう?それに2年以上も悩んだんだ、人にしては上出来さ」
モバP「そういうもんですかね…」
社長「そういうもんさ。最初は君みたいに悩み続けるだろうがね、長く生きれば生きるほど悩まない手段がわかってきてしまう。わかってしまったらもうその手段を取らずに居られる訳がない。そうして人は汚く逞しく成長して行くものだと僕は考えているよ」
モバP「…そう、ですか」
社長「まあ元気を出したまえ。君が何時迄も暗い顔をしてるかららしくもなく持論をベラベラと展開してやったんだぞ。元気出してくれないとただの自分の考えを自慢気に教えたがる子供のようじゃあないかい」
社長はまたもいじらしく笑って見せた。
社長「じゃあ今日はこれにて。またいつか飲もうじゃないか。なんなら森久保君も連れてきたまえ」
モバP「まだ未成年ですから…本当にありがとうございました」
こうして僕は帰り道へ向かう。
長々と悩んでた割に、相当呆気なく、簡単に2年越しの決着を出してしまった。
しかも自分で悩んだ末に結論を出した、だとかではなく社長の意見に納得し、自分の考えを変える、などというなんともなさけないかたちで。
まさに僕らしい決着とも言えよう。
もしも、この事を、僕の行ったことと僕の人間性知った人がいたら、どう見るのだろう。
社長のように人らしい人、なんて思うのだろうか。
それともただの下衆野郎に見られるのだろうか。
乃々は…どっちなんだろう。
いくら割り切ったとは言え、これからも乃々に言うことはないのだろう。
隠し事をしていることは申し訳なく思う。
だが、それでも僕は、どうしようもなく僕は、幸せが大好きだから。
ああ、早く乃々に会いたいな。
そんな事を頭で考えながら帰っているとあっという間にウチの玄関だ。
さて、乃々はまだ起きているかな。
これからも、幸せを2人で分け合えるといいな。
そんな呑気な事を考えながら、このどうしようもない人間は扉を開け、幸せの集合体のようなこの場所へ帰ってきた。
「ただいま、乃々」
これからも僕は、幸せであり続ける。
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