過去ログ - 【ゆるゆり】BAR Funamiの日常
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10:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/09(月) 00:37:32.38 ID:Ms5wpsxYo
京子が「いつもの」と言ったら牛乳を出すのだが、京子はお酒が飲めないわけじゃない。むしろ好きな方だろう。

お客が来なくて暇なときは、新しいカクテルを作ったりしてよく京子に試してもらっていた。おとといも確か、そうやって京子に何かを作ったのだった。


京子「キウイフルーツ、好き?」

「えっ……」

京子「そんなに強くないし、さっぱり甘くて飲みやすいと思うよ。どうかな?」

「じゃ、じゃあそれで」

京子「よし……マスター、この人の分と、あと私にも同じやつ作ってよ」

結衣「か、かしこまりました」


おとといはほんのテスト感覚で作ったのだが、幸いにも材料はあった。

キウイフルーツを使ったロングカクテルで、京子はその時も絶賛してくれた。といっても、京子は何を出してもいつも褒めてくれる。


京子「キウイフルーツをジュースと一緒にミキサーにかけて、冷やしてアイスを作るんだ。それを使ったカクテルなんだよ」

結衣(こ、こいつ……あの時飲んだだけで、作り方までわかったのか……?)


京子は初めて会ったときから今の今まで、ずっと変な客だ。結衣は毎日会ってるのに新しい発見は尽きないし、たびたび驚かされている。

ちなつもあかりも、ほぇ〜と言いながら結衣の手元を見ている。この前作ったアイスがまだ残っているからこそできるメニューだ。残しておいてよかったと、結衣は皆に見えないように安堵を浮かべる。


会話はぎこちなかったものの、カクテル作りの方は手も震えることなく見事なものであった。ちなつがうっとりとそれを見つめ、お客さんもミキシングの手さばきに興味を引かれている。

結衣は手際よく、出来上がったライトグリーンのカクテルをグラスに注いだ。アイスのものと生のもの、キウイフルーツを分けて使って黒いシードを少しだけ残すのが結衣流だった。


結衣「どうぞ」ことん

「き、綺麗……」


京子「ああっと、まだ飲んじゃだめだよ」

「えっ?」

京子「ほら、乾杯しなきゃ」

「あっ、ああ……!」


別に乾杯なんてしなくてもいいんじゃないかと睨んでいた結衣の目も見た上で、京子は得意げにグラスをあげると、作った声で綾乃のグラスを促した。


京子「君、名前は?」

「杉浦……綾乃です」

京子「綾乃……君の瞳に、乾杯」かん

綾乃「か、かんぱい」


結衣(な、なに言ってんだこいつ……)

ちなつ(だっさ……!)くくく


吹き出しそうになっているちなつのことは気にせず、綾乃と名乗ったお客さんはくいと口をつけた。



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