過去ログ - 【ゆるゆり】BAR Funamiの日常
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40:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/09(月) 01:03:52.06 ID:Ms5wpsxYo



『探偵小説がみんな、推理小説とは限らない。パズルのピースを合わせることも大事だが、それよりまずピースをしっかりと集められなければいけない。むしろそっちの方が大事なことなんだ』


―――これは先生の言葉です。探偵が推理をするということは、事件全体を解決する時間から見ればほんの些細な一部にすぎません。

探偵にもっとも必要とされる力、パズルのピースを集める力、『情報収集力』……ここをいかにして解決に導けるようにこなせるか。それが探偵の仕事のほとんどと言ってもいいです。


先生を事務所から送り出し、さっそく任された依頼ファイルを手に、私はとあるバーへ向かいました。今回の依頼者がそこで待ってくれているそうです。



奈々『依頼者は、この町にあるバーのマスターをしている船見結衣という女性と、同じくこの町の有名企業で働いている杉浦綾乃という女性の二人だ。松本と変わらない年頃の人らしいから、気軽に話せると思うぞ』


先生もまだ電話で軽く話した程度のようですが、常識的な女性二人という印象だったと言っていました。

私はちょっと緊張していたのですが、それを聞いてとても気が楽になりました。一人だけでこなす初めての依頼……ここから私の探偵としての道が開けていって、いずれは先生の片腕から「相棒」と呼ばれるような存在になる……! 今日はその伝説が始まるの日のように思えました。


そんなわけで、私は船見さんと杉浦さんに会うため……まだお昼も回っていませんが、オシャレな外観のバー『BAR Funami』にやってきました。

「CLOSED」と看板の出ているドアをノックすると、少し背の高い女性が私を迎え入れてくれました。


結衣「あっ、どうも……ええと、船見です。今は営業時間外なんですが、上がってもらっちゃって大丈夫ですよ」

りせ「…………」こくこく


バーなんて先生に何回か連れて行ってもらったことしかないけれど、そんな私でも感じられるくらい店内は落ち着いた良い雰囲気を醸し出していて、昼間なのに柔らかな薄暗さを備えるこの場所は私の好みに合っていました。


綾乃「あっ、どうも……初めまして、杉浦です」ぺこり

結衣「こちらの席にどうぞ」


先に来店していた杉浦さんの隣の、背の高いスツールの椅子に私を案内し、船見さんはそのままカウンターに行くと、なにやらお茶のようなものを淹れる準備を始めました。

なるほどバーのマスターです。営業時間外とだけあって今は私服のようなのですが、それでもカウンターでてきぱきと動く姿は様になっていました。


私はそれを横目に見ながら、杉浦さんの方を向きました。ひと呼吸置いて、まずは挨拶から。



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