24:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/11(水) 00:00:56.08 ID:BRoeWTnho
京子「……結衣?」
結衣「うん……」
全部、全部夢だった。よくよく考えれば夢の中でだってそれはわかっていたことだ。京子はずっと私の隣にいるし、世界中から人が消えるなんてありえない。
なのにどうして夢の世界はあんなにもリアルで、あんなにも私の心を痛めつけるのだろうか。あり得ないとわかっていても信じられない、すべてが真実味を帯びて身体に刻み込まれてしまう。
確かな孤独が心の傷となって残っている。この痛みがある限り、所詮夢だからと何もなかったことにはできない。
京子「どうしたの? やっぱり今日寝不足だったとか?」
結衣「ううん……」
様子のおかしい私を心配してか、京子はコントローラーを置いて私のもとに這い寄ってきた。近づいてきたその腕を反射的に握る……無意識でさえも自分の身体は京子の存在を求めていた。
京子「体調悪いの? 私変なときに遊びに来ちゃったかな……ごめんね」
結衣「ううん……大丈夫……」
汗にまみれて心も身体も弱っている私がやつれて見えるのか、京子は急に優しくなった。
その目は不安そうに私を見つめている。私の手が震えていることに気づいて、寒いのかと勘違いして両手で包み込んだ。
触れた場所からじわじわと京子の温もりが伝わってくる。その感覚が「京子はここにいる」ということを一心に感じさせてくれた。
そうして気づけば……熱いものが私の目筋を伝っていた。
結衣「きょ……うこ……」
京子「あわわっ、結衣!?」
結衣「う、うぅ……ぁぁあぁ……」ぽろぽろ
京子「ど、どうしたの……どこか痛いの? あっ、それとも熱がある?」
結衣「だい……じょぶ、大丈夫……///」
京子「大丈夫に見えないよ……! なんで泣いてるの?」
結衣「違、うんだ……私は……」
京子の問いかけに答えるたびに、泣き声が抑えられなくなった。
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