28:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/11(水) 00:03:37.59 ID:BRoeWTnho
 結衣(もう……こんなの……いやだ……) 
  
  
 どれだけ泣いても、どれだけの時間が経っても、この夢は終わらない。 
  
  
 京子がいないということ。その事実がある限り、私にとってこの世界は終わりのない悪夢だった。 
  
  
  
 結衣(…………) 
  
  
 夢を終わらせたいなら、夢の記憶をすべて忘れてしまえばいい。 
  
  
 しかし私にとってそれは、京子という存在を忘れてしまうことに他ならなかった。 
  
  
  
 世界で一番大切な京子の存在をを忘れるなんて…… 
  
  
 たとえ私が死んだとしたって、ありえない。 
  
  
  
 結衣(最初から……夢も現実も、関係なかったんだ) 
  
  
 ゆっくりと身体を起こし、足を崩して小さく座った。 
  
  
  
 私の悪夢は、京子を取り戻すことで終わる。 
  
  
 私はまだ京子の笑顔を思い描ける。京子の名前を呼べる。京子のことを考えていられる。 
  
  
 それならば、やることはひとつしかなかった。 
  
  
 温もりの消えた枕を抱きしめ、京子へのメッセージを静かに想う。 
  
  
  
 結衣「京子……必ず、会いに行くよ」 
  
  
 だから、待っててね。 
  
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