31:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/11(水) 00:05:31.21 ID:BRoeWTnho
室内にはいつもごらく部で使っている座布団があり、私はいつもの定位置に座らせてもらった。しかし周囲を見渡してみても……ここがごらく部室だと確証の持てるものはひとつも置いていなかった。
掛け軸もなければ、京子の持ってきた私物のおもちゃもない。ちなつちゃんがお茶を持ってくると、みんなで使っていた湯呑みさえないことがわかった。
ちなつ「なんといっても茶道部ですからね、お茶にはこだわってますよ! 飲んでみてください?」
結衣「……うん」
出されたお茶を静かに啜ってみる。
懐かしく染み渡るその味は、私が一番馴染みのあるお茶の味だった。
結衣「ちなつちゃん……」
ちなつ「はい! ……どうですか?」
結衣「ちなつちゃん、ここは茶道部なの?」
ちなつ「えっと、そうですけど……もっもしかしてまずかったですかこのお茶!? ああ私ったらとんでもない粗相を……」
結衣「お茶は美味しいよ。ちなつちゃんのお茶はいつも美味しい」
ちなつ「ほぇ?」
疑問符を頭の上に浮かべているちなつちゃんに、前かがみになって尋ねる。
結衣「ちなつちゃん……ここはごらく部じゃないの?」
ちなつ「は、なんですか? ごらくぶ……?」
結衣「ごらく部だよ。京子が作ったごらく部。京子と私とあかりとちなつちゃん……四人でいつも一緒にここに集まる部活!」
ちなつ「京子……って誰ですか?」
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