4:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 23:47:26.37 ID:fk92G9zco
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……自分でも、眠気が限界に来てしまっていたのを覚えている。
昨日寝た時間も遅かったわけではないのだが、淡々とレベル上げをこなす京子のゲーム画面を見ているだけでは当然瞼に重みが増していった。
お昼ご飯も作ってあげていないのに寝落ちだなんて申し訳ないな……でも京子お菓子たくさん食べてるし、あんまりお腹減ってなさそうだ……そんな葛藤を静かに繰り返しながら、私はじりじりと暑い午後の陽だまりの中、クッションを枕にして眠りの世界へと落ちてしまった。
どれくらい寝ていたのかは定かではないが、ほんの数十分ほどしか経過していない気がする。寝落ちというよりはしばらくうとうとしていただけと言った方が正しい。
……そのはずなのに、私が起きた時には窓の外が夕焼けに深く染まっていた。
結衣(ん……あれ……?)
寝ぼけまなこであたりに目を配る。ついさっきまで隣でかちゃかちゃとレベル上げにいそしんでいた京子がいなかった。ゲーム画面はポーズになっている。
結衣(トイレかな……)
むくりと身体を起こし、自分の身体が汗にまみれていることに気づく。居眠り後の独特な発汗作用によるものもあるだろうが、やはり何よりも真夏の日差しが暑いのだ。冷房が効いていてこの暑さはたまったもんじゃ……
……ふと見上げたところにあるエアコンの、電源のサインが消えていた。
結衣「えぇ……!」
急いでリモコンを取って冷房をいれる。これじゃ暑いのは当たり前だ。というか脱水症状にすらなりかねない危ないところだった。
しかしなぜ電源が切れているのだろう? タイマー設定にした覚えはない。とすると京子が切ったのか?
だが自分より暑がりの京子がそんなことをするとも思えない。何かのはずみで机の上に置いてあるリモコンの電源ボタンを押してしまったのかもしれない。Tシャツの襟元をぱたぱたと仰いで胸の内に風を送り、私は喉の渇きを癒すため冷蔵庫に冷やしてある麦茶を取りに行った。
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