過去ログ - 屋上に昇って
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126:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:31:56.18 ID:D4qOgycfo

「鷹島 スクイ」

 と彼はずっと前、俺に名乗った。
「変な名前」と思わず口に出したら「俺のせいじゃない」と彼は笑ってた。
以下略



127:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:32:28.44 ID:D4qOgycfo

「きみね、協調性とかないの?」

「協調性っていうのは、自分の判断や価値観や物事の正否の判断を一旦留保して、周囲の流れに合わせる能力のことか?」

以下略



128:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:33:34.16 ID:D4qOgycfo

 さて、とスクイは梯子の上から跳ね降りる。
 結構な高さだというのに、なんてこともなさそうに。

「俺は行くよ」
以下略



129:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:34:00.84 ID:D4qOgycfo

 ドッジボールで勝利するのはドッジボールに熱中して楽しめる奴だ。
「そもそもなんでドッジボールなんてしなきゃいけないんだ?」なんて考えはじめる奴は、残念だけどドッジボールの勝者にはなれない。

 たぶん、次からは誘ってももらえなくなるだろう。
以下略



130:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:35:12.56 ID:D4qOgycfo

 スクイが去ってしまってから、俺はいくつかのことについて考えた。
 姉のこと、みんなのこと、スクイのこと、

 るーのこと、
以下略



131:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:35:55.92 ID:D4qOgycfo

「どうしたの」と俺は近付かずに声をかけた。

「佐伯先輩が、きっとここにいるだろうって」

以下略



132:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:36:25.10 ID:D4qOgycfo

 そういえば。
 ポスターを拾われたとき以来か。彼女とふたりきりになったのは。

「景色を見ていたんですか?」
以下略



133:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:37:03.17 ID:D4qOgycfo

「部室、いこっか。暗くなってきたし」

 結局何も言えずに、俺はフェンスに背を向けて、扉へと向かった。

以下略



134:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:37:47.92 ID:D4qOgycfo

 どう応えるべきか、迷った。
 彼女の表情は、よく見えない。
 何を俺に伝えようとしているのか、分からない。

以下略



135:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:38:21.87 ID:D4qOgycfo

「名前、おんなじです。同姓同名じゃないですよね。珍しい苗字だし」

 言葉を重ねるほどに声が震えていく。
 俺は自分が嫌になった。なんで、この子にそんなことをさせてしまったんだろう。
以下略



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