136:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:38:55.15 ID:D4qOgycfo
藤宮ちはる――るーは、急に跳ねるみたいに駆け出してきた。
俺に向かって、早歩きよりちょっとはやいくらいの駆け足で。
まっすぐに。そう長くない距離を。そのままのスピードで。
137:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:39:54.34 ID:D4qOgycfo
「こっちにきてるなんて、聞いてないです。タクミくんのばか。ばか」
「いや、待てって。いろいろ事情があったんだよこっちにも」
138:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:40:21.22 ID:D4qOgycfo
俺はしばらく黙ったまま、るーが落ち着くのを待った。
とりあえずポケットティッシュを取り出して彼女に渡した。
るーは子供みたいに鼻をかんだ。
139:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:41:10.61 ID:D4qOgycfo
つづく
140:名無しNIPPER[sage]
2015/11/22(日) 21:44:45.52 ID:0ERre9RdO
乙
141:名無しNIPPER[sage]
2015/11/22(日) 22:32:43.77 ID:LjKTpqvho
乙です
142:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:34:45.93 ID:uj/X8DPAo
◇
「じゃあ、今日は部活サボってずっと屋上にいたんだ」
143:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:35:13.97 ID:uj/X8DPAo
時計を見ると、バイトの時間まで三十分を切っていた。
「うわ」
144:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:36:15.47 ID:uj/X8DPAo
「ごめん」
「いいです。ちゃんと説明してくれますよね?」
145:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:36:45.60 ID:uj/X8DPAo
店までの道を急ぎながら、俺はるーに、何をどこまで説明すればいいんだろうと考えた。
るーに会いたかったのは本当だ。
でも本当は、話したいことなんてなかったのかもしれない。
146:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:37:15.81 ID:uj/X8DPAo
そんな調子でバイトを終えて店を出ると、軒先のアーチ型バリカーに腰をかけている女の子がいた。
いや、女の子っていうか。
「……るー?」
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