144:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:36:15.47 ID:uj/X8DPAo
「ごめん」
「いいです。ちゃんと説明してくれますよね?」
145:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:36:45.60 ID:uj/X8DPAo
店までの道を急ぎながら、俺はるーに、何をどこまで説明すればいいんだろうと考えた。
るーに会いたかったのは本当だ。
でも本当は、話したいことなんてなかったのかもしれない。
146:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:37:15.81 ID:uj/X8DPAo
そんな調子でバイトを終えて店を出ると、軒先のアーチ型バリカーに腰をかけている女の子がいた。
いや、女の子っていうか。
「……るー?」
147:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:37:43.56 ID:uj/X8DPAo
「……はい。帰りに部長と蒔絵先輩と三人でケーキを食べに行ったんですけど、そのときに」
「ケーキ」
148:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:38:32.65 ID:uj/X8DPAo
なんて思って黙り込んでいると、
「ごめんなさい!」とるーは唐突に謝った。
149:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:38:58.77 ID:uj/X8DPAo
「一回帰ったの?」
「はい?」
150:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:39:39.86 ID:uj/X8DPAo
「とりあえず、もう遅いし帰ろう。送るから」
「……はい」
151:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:40:35.34 ID:uj/X8DPAo
「専門って、何の?」
「動物です」
152:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:41:19.25 ID:uj/X8DPAo
それでも、彼女にとって俺は友達だったのだろう。
今になってそう思えるのは、なんとなくうれしい。
怒ってくれたことがうれしい。
153:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:42:09.66 ID:uj/X8DPAo
それだけのことだったのかと、ほっとしたみたいに。
「いや、うん、そんなわけで、こっちに来るときも連絡したかったんだけど、覚えてるかどうか、わかんなかったし」
154:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 21:42:37.70 ID:uj/X8DPAo
乗客の数は多いとは言えなかった。おかげで、小声なら話を続けられそうだった。
時間が時間だし、終点に近いから、無理もない。
「いつから俺だって気付いてたの?」
1002Res/782.99 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。