168:名無しNIPPER[saga]
2015/11/25(水) 22:37:18.93 ID:Xdnzlkp4o
「そっちの子は、新入部員? 勧誘した甲斐があったね」
嵯峨野先輩は顧問みたいな口調でそう言って、るーを見る。
彼女はぺこりと頭をさげた。たぶん、この部とどういう関係がある人なのか、わからないんだろう。
169:名無しNIPPER[saga]
2015/11/25(水) 22:40:43.22 ID:Xdnzlkp4o
変っていうか……いや、まあ、俺には関係ないんだけど。
「そっか。ふうん。じゃあ、がんばってね。おじゃましました」
170:名無しNIPPER[saga]
2015/11/25(水) 22:41:09.26 ID:Xdnzlkp4o
「どう思う?」
扉がしまってから、俺はるーにそう訊いてみた。
171:名無しNIPPER[saga]
2015/11/25(水) 22:41:44.89 ID:Xdnzlkp4o
「一目惚れかあ」
しばらく沈黙があったあと、るーはまた自分のほっぺたをシャーペンでつつきながら溜め息のように呟く。
172:名無しNIPPER[saga]
2015/11/25(水) 22:44:09.33 ID:Xdnzlkp4o
少しするとゴローが部室に帰ってきて、並んで座る俺とるーをちらりと見たあと、窓際の定位置に腰掛けてノートを広げ始めた。
「何か書くの?」
173:名無しNIPPER[saga]
2015/11/25(水) 22:44:37.07 ID:Xdnzlkp4o
さらに少し経ったあと、高森が疲れたような顔で部室のドアにもたれるようにしながら戻ってきた。
「おかえり」
174:名無しNIPPER[saga]
2015/11/25(水) 22:45:18.09 ID:Xdnzlkp4o
「暗号みたいな奴だよ、文字入れ替えて別の文つくったりする奴」
「人名って言ってましたけど」
175:名無しNIPPER[saga]
2015/11/25(水) 22:45:46.16 ID:Xdnzlkp4o
「オリキャラの名前で姓名判断とかするようになったら末期だよねえ」
高森はぼんやり呟く。いろいろ痛い流れになってきた。
176:名無しNIPPER[saga]
2015/11/25(水) 22:47:01.68 ID:Xdnzlkp4o
会話が一段落して、自分の原稿の作業に入ったゴローの横で、高森は憂鬱そうに溜め息をついていた。
「どうしたの?」
177:名無しNIPPER[saga]
2015/11/25(水) 22:47:42.68 ID:Xdnzlkp4o
人懐っこそうな印象と裏腹に、高森はけっこう人見知りが激しくて、目上の人や異性が相手だとうまく話ができないらしい。
俺やゴローや部長に対しても、最初の頃はけっこう警戒心旺盛だった。
最終的に仲良くなれたのは、たぶん、文芸部全体がお互いに対して放任主義を貫いているからだ。
178:名無しNIPPER[saga]
2015/11/25(水) 22:48:53.10 ID:Xdnzlkp4o
「で、なんて声かけられたの?」
「……なんだっけ。文芸部がどうこう言ってた気がする」
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