283:名無しNIPPER[saga]
2015/12/09(水) 23:14:36.34 ID:cEBHTxlko
「どんな」と高森は不意に言葉を吐き出した。
途切れ途切れの呼吸。どこか思いつめたみたいな顔。
彼女の瞳がぼんやりと部長の方へと向かう。
284:名無しNIPPER[saga]
2015/12/09(水) 23:15:06.24 ID:cEBHTxlko
「わたしは悪くない」と高森は震えた声で言った。
「わたしは悪くない」と彼女は繰り返す。
285:名無しNIPPER[saga]
2015/12/09(水) 23:15:38.18 ID:cEBHTxlko
◇
「蒔絵先輩、どうしたんでしょう……」
286:名無しNIPPER[saga]
2015/12/09(水) 23:17:45.50 ID:cEBHTxlko
やりとりを横で見ていたるーが、心配そうな視線を投げかけてくる。
俺は深呼吸をした。どうも、変になっている。俺もゴローも。
落ち着け、と俺は自分に言い聞かせる。
287:名無しNIPPER[saga]
2015/12/09(水) 23:18:12.29 ID:cEBHTxlko
廊下を歩いて、文芸部室を離れる。べつに目的地があったわけじゃない。
どっちにしても同じ場所に居続けるのは息が詰まった。
「……さっき、部室に嵯峨野先輩がきたとき」
288:名無しNIPPER[saga]
2015/12/09(水) 23:18:56.38 ID:cEBHTxlko
つづく
289:名無しNIPPER[sage]
2015/12/10(木) 02:49:14.58 ID:BolJfPp4O
おつ
複雑なようで単純そうで難解だよな
290:名無しNIPPER[saga]
2015/12/12(土) 12:47:49.91 ID:yM3Y2q1bo
◇
しばらくしてから部室に戻ると、高森と佐伯がいなくなっていた。
291:名無しNIPPER[saga]
2015/12/12(土) 12:48:25.86 ID:yM3Y2q1bo
ふう、と溜め息をついて、部長は鞄からノートを取り出した。
それからシャープペンを握って、何かを書こうとしはじめる。何かを言おうとすることもない。
「何をするんですか?」と俺は訊ねる。部長は「ん?」という不思議そうな顔をした。
292:名無しNIPPER[saga]
2015/12/12(土) 12:49:59.68 ID:yM3Y2q1bo
「……まあ、どうにか書いて」
と、結局彼女は笑った。
293:名無しNIPPER[saga]
2015/12/12(土) 12:53:29.55 ID:yM3Y2q1bo
部長はノートのうえにシャープペンをさらさらと走らせる。
「部誌のエピグラフ、こんなんにしようと思う」
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