37:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:35:15.03 ID:0oXNO4iLo
「え?」
彼女は、びくりと大きく体を跳ねさせた。
こんな人気のない場所で、話しかけてくる奴がいるなんて思わなかったんだろう。
ちょっと悪いな、と思ったけど、状況が状況だから仕方ない。
彼女が手にもっているのは、たしかにさっき落としたポスターのようだった。
なんて不運だ。
たまたま紙が落ちたタイミングに、たまたま人が来るなんて。
「それ、うちの部のなんだ。上から落としちゃって」
と、俺は三階のあたりを指さした。
「勧誘ポスターなんだよ」
内容のセンスに関しては、こちらからは触れないことにした。
「……そうだったんですか。突然降ってきたから、なにかと思いました」
「ごめん。拾ってくれてありがとう」
俺は必死に体裁を取り繕いながら、ポスターに書かれた文が俺ではなく高森の考えたものであることを祈った。
「文芸部なんですか?」
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