55:名無しNIPPER[saga]
2015/11/15(日) 19:08:51.92 ID:ZQjZY+y8o
「んー、でも、ここまで来たら続き気になるし……。な、最近のゲームって当たり前みたいにボイスあるんだな」
『グレイル! ちくしょう、おまえみたいな奴を、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ良い奴だと思ってた俺がバカだったよ!』
「タクミ、あのさ……」
「んー?」
『……好きに罵ればいい。そんな言葉などでは、何ひとつ取り戻せん』
「グレイル、死ぬぜ」
「……おい、まじかおまえ」
「レオン庇って死ぬ」
「マジか、おい」
「ちなみにグレイルの目的はレオンの肉体に宿った呪印の副作用を除去することでな……」
「やめろ、おいやめろ」
「そのために必要な魔鉱石の加工技術を手に入れるために敵組織に参加して……」
「ごめんゴロー、俺が悪かった」
「それというのもグレイルの正体はレオンの姉の元許嫁で、死んだ恋人の弟の命を守るために恋人の仇である組織のしもべとなり……」
「うわー、あーあーあー!」
俺はコントローラーを放り投げて頭を抱えた。目を閉じても耳を塞いでも手遅れだった。
知ってしまったことを、知らなかったことにはできない。
刻まれた情報は、抹消することができない。
俺がこの短い人生の中で学んだいくつかの教訓の中で、もっとも実感に基づく言葉が、また思い出された。
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