82:名無しNIPPER[saga]
2015/11/17(火) 21:50:01.81 ID:ZFXDl97Lo
◇
入部届には印鑑と保護者の連絡先が必要なので、実際にどうなるのかはまだ分からない。
それでも藤宮の態度を見るに、もう部員としてやっていく気でいるらしかった。
83:名無しNIPPER[saga]
2015/11/17(火) 21:50:43.30 ID:ZFXDl97Lo
「厳密に言うと、廃部か同好会格下げか……一番ありえたのが、合併吸収だったね」
「っていうと……」
84:名無しNIPPER[saga]
2015/11/17(火) 21:51:10.42 ID:ZFXDl97Lo
「……とりあえず、座って」
俺は壁に立てかけてあったパイプ椅子を出して、適当な位置に置いた。
藤宮はぺこっと頭をさげてから腰を下ろす。
85:名無しNIPPER[saga]
2015/11/17(火) 21:51:54.61 ID:ZFXDl97Lo
そう思って彼女の方を見ると、ふうん、というような顔で俺と藤宮の方を眺めていた。
どうでもよさそうな、それでいて興味深そうな顔。
犬のトリミングを初めて見るみたいな顔だ。
86:名無しNIPPER[saga]
2015/11/17(火) 21:52:56.65 ID:ZFXDl97Lo
「……呼び捨て?」
「あ、た、タクミ……先輩」
87:名無しNIPPER[saga]
2015/11/17(火) 21:53:31.15 ID:ZFXDl97Lo
「それで、第一とか第二って……?」
藤宮ちはるの質問に、俺は考え事を一時中断する。
いまさら考えたって仕方ないことだ。
88:名無しNIPPER[saga]
2015/11/17(火) 21:54:37.83 ID:ZFXDl97Lo
「じゃあ、つまり、この部の人たちは真面目な文芸部員ってことですか?」
「いや?」
89:名無しNIPPER[saga]
2015/11/17(火) 21:55:11.74 ID:ZFXDl97Lo
「ていうか、作るよ、部誌」
突然の断定に、俺は戸惑った。
90:名無しNIPPER[saga]
2015/11/17(火) 21:56:04.07 ID:ZFXDl97Lo
◇
「そんなわけで、部誌作るらしいぜ」
91:名無しNIPPER[saga]
2015/11/17(火) 21:56:31.56 ID:ZFXDl97Lo
「名前は一緒」
「顔立ちとか、立ち居振る舞いは?」
92:名無しNIPPER[saga]
2015/11/17(火) 21:57:23.52 ID:ZFXDl97Lo
あれから、数年経って、連絡を取り合わなくなってからも、お互い、いろんなことがあったはずだ。
小学生だった。でも、歳をとって、中学生になって、今は高校生になって。
部活とか、受験とか、友達関係とか、恋愛とか、いろんな変化があったはずで。
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