834:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:29:26.19 ID:pZZx+2x0o
「ひとまずピックで弦弾いてみて」
「弾くって……」
835:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:29:52.13 ID:pZZx+2x0o
低い音が響く。
「……おお?」
836:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:30:26.23 ID:pZZx+2x0o
すず姉はストラップを首にかけてすぐ、ピックももたずに弦を押さえた。
右手の指が弦の上を滑るように弾くのと同時に、音がうねりはじめた。
波濤の壁が部屋を押し広げた。
837:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:30:51.88 ID:pZZx+2x0o
◇
次に窓の外を見た時には日が沈みかけていた。
838:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:31:18.54 ID:pZZx+2x0o
ずっと横で様子を見ていたるーが、ここに来てようやく口を開いた。
「そういえば、タクミくん、さっき何か言ってませんでした?」
839:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:32:07.93 ID:pZZx+2x0o
「ちい姉の彼氏って、ひょっとして……」
「はい」とるーは頷いた。
840:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:32:46.98 ID:pZZx+2x0o
「さて、じゃあタクミ、ベースとアンプと教本は貸してあげるから、家に帰っても練習すること。夜はあんまり音出しちゃ駄目だよ。ヘットホンつけてね」
「……あ、うん」
841:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:33:22.97 ID:pZZx+2x0o
「誰の家が一番近い?」
「俺の家かな」とゴローは言う。
842:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:33:52.12 ID:pZZx+2x0o
宣言通り高森とゴローを送り静奈姉の部屋に向かう頃には、あたりは暗くなりだしていた。
「学校で、るーはどう?」
843:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:34:22.55 ID:pZZx+2x0o
「ほら、るーとの約束があったからかなって」
……約束?
844:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:34:48.45 ID:pZZx+2x0o
「ね、タクミ、訊いていい?」
「なんですか?」
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