847:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:36:40.29 ID:pZZx+2x0o
「よっぽど、嫌いだったみたいで。おばあちゃんがほとんど追い出すみたいに……って言っても、喧嘩別れだったみたいだけど、
お母さんとお父さんが別れちゃって。それで、おばあちゃん、お母さんがいなくなったあと、ちい姉に手をあげるようになったんだって。
お父さんは弱い人だから……おばあちゃんには逆らえなくて、家を出ることも、できなかったみたい。見た目通り、ちょっと厳格な家だから」
「……」
「それで、仕方なく、遠くの親戚の家に、ちい姉を預けることになったんだ」
「……どうして、ちい姉だけ?」
「……不思議だよね? わたしは、おばあちゃんには嫌われてなかった。むしろ大事にしてもらった記憶だってある。
小さい頃から別の家で暮らしていたちい姉を、遠い親戚のお姉さんみたいに感じることはあったけど、おばあちゃんはわたしにとっておばあちゃんだった」
「……」
「顔が、似てたんだって」
「……顔?」
「うん。お母さんに、ちい姉はそっくりだったんだって。それにきっと、ちい姉はお母さんのこと覚えてたから、お母さんを泣かせてたおばあちゃんが嫌いだったのかもしれない。
だからおばあちゃんは、ちい姉につらくあたってたんだって。わたしはそんなこと、なにひとつ知らずに生活してた」
「……どうしてそんな話、俺にするの」
「わかんない」
俺は少しだけ、今聞いた話の意味について考えようとして……やめた。
「お父さんは、ちい姉を親戚の家に預けたあと、すぐ再婚しちゃった。あのひともあのひとで、傷ついてたんだろうけど……。
それで、すぐにるーが生まれて……」
「……」
「ごめん、なんか余計な話してるよね」
「……うん。たぶん」
「ごめんね」
「いいよ」
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