890:名無しNIPPER[saga]
2016/03/19(土) 00:05:06.92 ID:7uTUbjIMo
「誰かの輪の中にいると、自分が余計ものみたいに思えるから、ひとりでいる人にばかり声を掛けてたんだ、って」
声を掛けたのは、きっと、ちい姉が言うとおり寂しかったからで。
そういう自分の弱さを、たぶんどこかで遊馬兄は責めていた。
だから、ちい姉が苦手だった。
「しいちゃんには感謝してるって、遊馬、言ってた」
「……遊馬くんが?」
「うん。しいちゃんがいなかったら、自分はとっくにダメになってたかもって」
「……」
「いつも助けられてたんだって、言ってた。
それと同じくらいの焦りがあったんだと思う。周りは楽しそうに笑って遊んでて、自分は自分のことに必死で、誰ともつながってなくて。
だから、追いつかなきゃって、思ってたんだと思う。自分だって誰かと繋がって、誰かにとっての何かにならなきゃって」
それは、どこかで聞いたような話。
「そういうものを必死に築き上げて、ようやく親友って呼べる誰かができて、そんなときに……」
「そんなときに?」と静奈姉。
1002Res/782.99 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。