937:名無しNIPPER[saga]
2016/03/27(日) 20:16:56.84 ID:5txwhAa2o
「そんなことないですよ。お、これは二重感情線ですね」
「なにそれ」
938:名無しNIPPER[saga]
2016/03/27(日) 20:17:29.06 ID:5txwhAa2o
手相の意味なんてわからなかったけど、るーの手の小ささに、戸惑いを覚えた。
細い指、透き通る爪、折れそうな手首。
触れるのが心地よかった。
939:名無しNIPPER[saga]
2016/03/27(日) 20:18:20.22 ID:5txwhAa2o
「……」
「タクミくん、たまにそういうことしますよね」
940:名無しNIPPER[saga]
2016/03/27(日) 20:18:56.20 ID:5txwhAa2o
俺がつかんでいる手と反対側の手で、彼女は俺のもう片方の手をつかんだ。
俺がしているのと同じように、彼女は俺の手のひらをくすぐりはじめる。
「……」
941:名無しNIPPER[saga]
2016/03/27(日) 20:19:50.26 ID:5txwhAa2o
るーはわーわー騒ぎながら、「ええい!」って声をあげて、俺の脇腹に手を伸ばしてきた。
思わず体をくの字に曲げると、いつのまにか向き合っていたるーの肩に頭がぶつかる。
「やめろって」って、笑いながら言う。
942:名無しNIPPER[saga]
2016/03/27(日) 20:20:16.33 ID:5txwhAa2o
夜風が吹き抜ける。
くすぐったい沈黙。
静かに目が合った。
943:名無しNIPPER[saga]
2016/03/27(日) 20:20:49.60 ID:5txwhAa2o
「ん。うん」
それがどうした、という意味で頷くと、彼女はゆっくりと体を倒してこちらにもたれかかってきた。
944:名無しNIPPER[saga]
2016/03/27(日) 20:21:26.71 ID:5txwhAa2o
「……酔ってる?」
「そういうことにしても、いいです」
945:名無しNIPPER[saga]
2016/03/27(日) 20:22:16.98 ID:5txwhAa2o
「……どうして、なのかな」
るーは、何かをさぐるみたいに、そうつぶやいた。
946:名無しNIPPER[saga]
2016/03/27(日) 20:22:56.51 ID:5txwhAa2o
「かっこ悪いとはいってないです」
「そういう問題じゃなくてね」
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