979:名無しNIPPER[saga]
2016/04/02(土) 00:52:48.70 ID:PCQym4Teo
◇
屋上についてすぐ、嵯峨野先輩はフェンスに近付いた。
制服姿の彼の後ろ姿は、見下ろす街をその向こうにとらえている。
フェンス越しの街並みは、ここからだと模型のように小さい。それくらいに遠い。
「孝之と、何か話した?」
「……孝之?」
「嘉山孝之」
……話した、と俺は思う。
でもあれは、俺じゃなくてスクイだ。
そのスクイと嘉山の会話を、俺は覚えている。
「ああ、はい。……気になるなら、先輩に訊けって」
「急に敬語なんだね」
嵯峨野先輩は、振り返ってそう笑った。
スクイは、敬語を使わなかったのかもしれない。
はたから見たら、たしかに不思議なんだろう。
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