2: ◆foQczOBlAI[saga]
2015/11/16(月) 01:08:34.64 ID:a5VkSyM50
昔の私は「観る」専門でした。本を読んで美術展、博物展を観て。
華やかな世界にあこがれていた私はいつも自分を偽っていました。自分には似合わない、自分には向いていない。
3: ◆foQczOBlAI[saga]
2015/11/16(月) 01:09:44.06 ID:a5VkSyM50
「頼子、駅前に新しいクレープ屋が出来たみたいだ。早速行くかないか?」
レッスンが終わり、少し事務所でくつろいでいた私を見つけた晶葉ちゃんが急にこんなことを言ってきました。
4: ◆foQczOBlAI[saga]
2015/11/16(月) 01:11:04.06 ID:a5VkSyM50
私が言うのもなんだけど晶葉ちゃんは素直じゃないです。たまに隠し事をしようとします。
ただそのさいは晶葉ちゃんの視線はあっちいったりこっちいったり。
5: ◆foQczOBlAI[saga]
2015/11/16(月) 01:11:45.38 ID:a5VkSyM50
「それじゃ、いただきます!」
「いただきます……」
6: ◆foQczOBlAI[saga]
2015/11/16(月) 01:12:19.66 ID:a5VkSyM50
前に私が言ったことを覚えてくれていたんですね。あれも私と晶葉ちゃんの思い出の一つです。
一人じゃなく、二人ならばおいしく感じるし、出来ないこともできる。助け合いです。
7: ◆foQczOBlAI[saga]
2015/11/16(月) 01:12:49.32 ID:a5VkSyM50
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美術品。それは変わらぬ美しさを持つもの。だけど価値が変わらないわけではありません。
8: ◆foQczOBlAI[saga]
2015/11/16(月) 01:13:40.33 ID:a5VkSyM50
「頼子、一緒に美術館に行かないか?」
「どうしたの急に……?」
「芸術の秋だ。少しぐらい私も嗜んでおこうと思ってな」
9: ◆foQczOBlAI[saga]
2015/11/16(月) 01:14:17.98 ID:a5VkSyM50
「というわけで美術館だね……」
「ううむ……凄い絵だってことはわかるのだがどこがどう凄いかは説明できないな……」
10: ◆foQczOBlAI[saga]
2015/11/16(月) 01:15:59.95 ID:a5VkSyM50
「うん、それだけでいいの……あれは元々ナチスドイツが戦争中にスペインのゲルニカって場所に空爆をしたの……ピカソはそれを悲しんでゲルニカという絵を描いたんだよ……だから戦争の怖さや悲惨さが少しでも伝わればいいんだよ……」
「なるほど!見たまんま感じるだけでいいのか」
11: ◆foQczOBlAI[saga]
2015/11/16(月) 01:17:24.11 ID:a5VkSyM50
そのあとも晶葉ちゃんと一緒に美術館をまわりました。
晶葉ちゃんは彫刻に一番惹かれたみたいでした。
12: ◆foQczOBlAI[saga]
2015/11/16(月) 01:18:04.04 ID:a5VkSyM50
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事実は小説よりも奇なり。このことわざは私のためにあるのかもしれません。
私は今までにたくさんの本を読んできました。
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