24:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/17(火) 00:47:55.97 ID:/ylhE4Sso
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自分の家に帰り、今日も私は早い時間からベッドに突っ伏す。
携帯を開くと、彼女からのメール通知が何件か届いていた。その返信を考えながら……先ほどの赤座先輩の泣き顔を思い出す。
ここまで少々勝手なことをしてきたが……もうこの件には関わらないようにしようと思った。私にとっては全て過去のこと……今の私には心から愛せる彼女がいるし、この子さえいれば他には何もいらなかった。
赤座先輩も吉川先輩も、もう二度と合うことが無ければ、どうなろうと関係のないも同じ……私は私の幸せだけを追い求めればいい。
しかし私の頭はやはりどうしても……二人の小難しい事情について考えてしまう。
「…………」
赤座先輩の悩みの正体は、きっとあかりちゃんのことなのだろう。
あの人はいわゆる……いや、本当の意味でのシスターコンプレックスだ。はたから見れば異常なほどの愛を、誰にも見られない部分で妹に向けている……良い子のあかりちゃんを縛って独占するとまではいかないが、あの人は間違いなく “あかりちゃんに縛られていた”。
(きっと……最初から)
私があの人に出会った時から、あの人は既にそんな状態だったのだろう。
どんなに他人から憧れの目を向けられても、あの人はいつだってあかりちゃんしか見えていない。 あかりちゃん以外を見るということは……彼女にとっての罪にさえなりかねない。
となると、四年前……私の告白を振った理由も、おそらくそれなのだろうと思った。
『私……他に好きな人がいるの』
(誰なんだろうとずっと思ってたけど……そっか、あかりちゃんかぁ……)
四年越しにわかった難問の答えは……驚くこともなく、ただひたすらに虚しかった。
私が何をどうやったって……あかりちゃんには勝てなかったのだ。
そんなこともわからずに、フラれた現実を受け止めることもできずに、差し伸べた手を振り払ってしまった過去が……それからの四年間、悲しい過去の傷跡と称して消化したすべての根源が、たったそれだけの理由だったことがわかり……泣きたいくらいに虚しかった。
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