過去ログ - 姫「ボクの名は姫! 誇り高き勇者の血を受け継ぐ者!」
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◆WnJdwN8j0.
[saga]
2015/11/29(日) 20:18:26.10 ID:Dr3RY0P00
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王子「うぅん…」
姫「王子…!」
王子「姉、上…?」
王子が目覚めたのは、倒れてから数時間後。既に魔物の国からの逃亡に成功し、王子と姫は音楽の国の城にかくまわれていた。
姫「具合悪くない、王子?」
王子「…っ」ガタガタ
姫「王子!?」
突然真っ青な顔で震えだした王子を心配し、姫は王子の体を支える。
王子は怯えるような目で、姫の顔を見た。
王子「姉上…僕は、執事達を殺しました……」
姫「!」
どうやら、心を封じられていた時の記憶が蘇ったようだ。
まさか覚えているとは思わなかったもので、姫は言葉に詰まる。
王子「それに…僕を救ってくれた魔王子のことも……」
姫「王子……」
王子が笛吹きを殺さなかったら――自分はちゃんと彼に礼を言えただろうか。
笛吹きがいなければ、魔王を討つことすらできなかったのに――
姫「……王子は、悪くないよ」
だけど、もやもやしたものを抑えてそう言った。
姫「自分を責めないで、王子。失ったものも多いけど、キミが無事でいてくれたことは喜ばしいことじゃないか」
王子「姉上……」
そうだ。失ったものを振り返っても仕方がない。
姫「国を盛り返そうよ、2人でさ!」
王子「…はい、姉上」
前を向いて行こう。それが王族としての責務であり、姫にとっての『自分らしさ』なのだから。
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