過去ログ - 姫「ボクの名は姫! 誇り高き勇者の血を受け継ぐ者!」
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◆WnJdwN8j0.
[saga]
2015/11/25(水) 19:28:10.29 ID:GQVg3txd0
魔王子「俺の笛は今まで苦情ばかりだったから、こう気持ち良さそうに踊って貰えると嬉しいな!」
舞姫「まぁーそれは良かったですわー」
舞姫(気持ち良いわけあるか! 木魚の音の方が遥かにマシだ!)
チェロ弾き(具合悪くなってきた…)
魔王子「なぁ、もし良かったら、また俺の笛で踊ってはくれないか!」
舞姫(えぇー…)
あの気が狂いそうな雑音と一緒に踊ったら、舞の価値までだだ下がりになりそうなので嫌なのだが…。
魔王子「たまにでいいんだ、たまにで!」キラキラ
舞姫(な、何つー純真な笑顔…!)
断るのに罪悪感を抱かせるような笑顔だった。
舞姫(…魔王の息子とは、お近付きになっておいて損はないよね?)
チラッとチェロ弾きの顔を伺うと、チェロ弾きも頷いていた。
舞姫「はい、構いませんよ魔王子様」
魔王子「ありがとう!」キラキラ
舞姫(…あぁ、そう言えばこいつは、こういう奴だったな)
基本的には無愛想で大人しいのに、時折無邪気な一面を見せる。
笛吹きを名乗っていた時も、そんな奴だった。
笛吹きのそんな所が結構好きでもあった。
舞姫(…でも、こいつはボクを騙していた)
思い出に浸っていた頭をすぐに切り替える。
笛吹きとは魔王子の偽りの名前。築いた友情は、偽りの上に成り立っていたもの。
舞姫(魔王は勿論…キミも許さないよ、魔王子)
舞姫は微笑みを浮かべながら、心の中で戦線布告した。
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