過去ログ - 志希「ねぇ、助手くーん」晶葉「Pは私の助手なんだぞ!?」
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8: ◆Freege5emM[saga]
2015/11/24(火) 01:39:17.55 ID:WpluowQpo




「なんで、わざわざそんなことしたんだろうな、私は」

「確か、アイドルデビューの話を断るつもりだったハズなんだ」

「アイドルになれたら、面白いかもしれない……でも私は、アイドルかロボットどっちかとれ、
 と言われたら、ロボットをとる――少なくとも、あの日はそう思ってた」

「ただ、何度も熱心に声をかけてくれたのが嬉しかったから、せめてもの義理として、
 プロデューサーのところまで行って、面と向かって返事をしよう、と思ってた」

「それに……なんだか、プロデューサーは私の父に似てる気がしたんだよ。
 機械いじりばかりにかまけてる父に……無碍にできなかったのは、そのせいもあるかな」



「プロデューサーは、私のことを覚えていてくれた――声だけで、気づいてくれた。
 また、アイドルになろうかと心がぐらついた。時間はあまりとれないが、とにかくすぐ行く――と返事がきた」

「……驚くべきフットワークの軽さだよなぁ。
 志希が失踪しても、プロデューサーならすぐ見つけられるはずだよ」



「プロデューサーは忙しそうだったから、私は自分の気持ちをすぐに告げた。
 スカウトしてくれたのは嬉しいけれど、私はアイドルよりロボット制作を続けたい、
 だからアイドルにはなれない――と。そうしたら……」

「プロデューサーが言った……『アイドルがロボット作ったっていいじゃないか』って」



「そのあたりのやり取りは、一字一句覚えてる。

『アイドルがロボットをつくって、ファンのみんなをドキドキワクワクさせ、心を動かせるだろうか。
 俺はロボットはズブの素人だが、アイドルの専門家として、挑戦する価値が大いにあると思う』

『さて、晶葉は……アイドルは素人だが、ロボットの専門家だな。
 ロボットの専門家としては、どう思う?』……なんて、な」



「――嬉しかった。こんなに嬉しかったことがあったか?」

「……私は、ロボットをつくってて褒められたことはいくらでもあったが、
 その褒め言葉には、いつも『女子中学生にしては……』という前提が隠れていたんだ」

「助手はそうじゃなかった。対等な専門家として認めてくれた」



「もうロボットとかアイドルとか関係ない。
 この人と何か大きなことをしてみたい、と思わされてしまった」





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