21:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:01:03.73 ID:U3uWc7f60
「小鳥、久しぶりだね。あと、そこの人、こんにちは」
喫茶店で小鳥に話しかける美希であったが、今回は小鳥のほかにもう一人の女性がいた。
その女性は青と白の縞模様のブラウスにスカートといういでたちで、何よりも目を引くのは眼鏡の奥の大きな瞳であった。
その瞳は聡明そうな印象を与えた。そして、まっすぐに射貫くような視線は思わず身構えてしまう力を持っていた。
22:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:02:47.17 ID:U3uWc7f60
「そこの人、じゃないわ。私は秋月律子、小鳥さんの同僚よ」
「美希ちゃん、前も言ったけど、私たちは765プロダクションっていう芸能事務所で働いているの。律子さんが美希ちゃんに会いたいっていうから、連れてきちゃった」
小鳥が申し訳なさそうに美希を見たが、美希は笑って答えた。
23:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:04:55.82 ID:U3uWc7f60
「律子って面白い服着てるね。ミキ的にはあんまりイケてない感じだけど、律子には凄く似合ってるって思うな」
「なっ……!」
律子は小鳥の腕をつかんで美希にそっぽを向き、小声でまくしたてた。
24:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:08:15.52 ID:U3uWc7f60
「どうしたの、律子?急に小鳥とひそひそして、ミキつまんないの」
律子は美希に向き直ると、こほん、と小さく咳をした。
「ごめんね美希、少し話すことがあったの。ところで、今日の予定は決めてる?」
25:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:10:26.80 ID:U3uWc7f60
「ひっ!……わかったの。小鳥〜、律子……さんがいじめるの」
「律子さん、あまりいじめないであげてね」
「いじめてないですよ!社会常識を教えるための愛の鞭ですから」
26:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:12:21.81 ID:U3uWc7f60
「食べ物は無しよ。あと、律子『さん』!」
まったく、と呟きながらカウンターへ向かう律子を見て、小鳥は美希に言った。
「美希ちゃん、律子さんは少し厳しいけど、悪い人じゃないのよ。私たちのことを本気で考えてくれる優しい人なの」
27:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:14:10.84 ID:U3uWc7f60
「ほら美希、飲み物買ってきたわよ」
「ありがとうなの!律子……さん」
飲み物を受け取る美希を見て、律子は小鳥と目くばせをした。
28:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:16:26.40 ID:U3uWc7f60
「アイドル?アイドルって、何する人?」
「歌や踊りでみんなを元気にする人よ。」
「ふうん、ミキよく分かんないの」
29:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:17:51.02 ID:U3uWc7f60
「律子……さん、さっきの女の子は誰なの?」
美希が訊くと、律子は得意そうに答えた。
「うちの事務所の如月千早よ。会いに行く?」
30:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:19:50.18 ID:U3uWc7f60
「お疲れさま、千早ちゃん。調子よさそうだったわね」
「音無さん、お疲れ様です。おかげさまで、納得いく仕上がりだったと思います」
「千早、お疲れさま。今日は大勢で押し掛ける形になっちゃったけど、ごめんね。美希、自己紹介しなさい」
31:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:21:35.20 ID:U3uWc7f60
「ありがとう、星井さんも事務所に入るの?」
「ミキでいいよ。ミキはね、まだ事務所に入ってないの。最初は入るつもりもなかったんだけど、千早さんの歌を聞いてからは入ってもいいなって思ってるよ」
美希が言うと、隣にいた律子が口を挟んだ。
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