過去ログ - 晶葉「どうにも私は、恋をしているらしい」
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◆zefPw5mKfA
[saga]
2015/11/27(金) 00:09:19.94 ID:NjB6h2Aj0
「……なるほど、そういう事でしたか」
私の話を聞いた頼子は、少しの間自分の髪を撫でつけるように触れてから頷いた。
「これは由々しき事態ですね」
そう口にして、頼子は私とテーブルを挟んで対面のソファに腰かけた。
蒼の目がまた私をまっすぐに見つめてくる。
「晶葉さん。貴女のやろうとしている事は、貴女の今後のアイドル活動に強い影響を与えかねない出来事です」
「っ!」
「ちょ、頼子しゃん!!」
驚き、息の詰まった私に代わって抗議しようとした鈴帆を、頼子は片手を前に出す事で静止させる。
それで場は再び頼子の物になる。
彼女が話そうとしている事は、決して無視していい問題ではないと、皆が分かっていた。
「恋が成就した場合。貴女はアイドルを止めるか、続けるかを選ぶ事になります。止めるのは言わずもがな、続ける場合、その事実を伏して…つまりは隠し事を抱えたまま、貴女のファンに向き合う事になるでしょう」
淡々と、頼子の言葉は続く。
「恋が叶わなかった場合。貴女はPさんと共に今後、肩を並べてアイドルを続けられますか? 彼の望む未来へ、絶対の信頼と共に応えていけますか? あるいは彼と別れて尚、アイドルとして立ち続けられますか?」
「それは……」
突きつけられた言葉は、どれもこれも私の胸の深い所に突き立った。
痛さよりも、重さを感じる。
「晶葉さんが進もうという道の先には、そんな未来が待っているかもしれません」
それでも。と、彼女が問う。
「自分の思いを、真っ直ぐに相手に伝える事を選びますか?」
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