過去ログ - 二宮飛鳥「死にいたる病あるいは乾燥させた葉を煮出し雌牛の分泌する液体を混ぜた物」
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5:名無しNIPPER[saga]
2015/12/07(月) 13:05:15.67 ID:n95sZXJf0
 喉が渇いた。
 




 手を振る。泥の中へと自由帳が沈んでくる。
きっとあれはボクのものだ。

 泥の中をもがき、手を伸ばす。色は青。
不可思議。ボクが漫画を描いていた自由張は緑のはずだ。
それとも……ボクが漫画を描いていた自由張は金色なのだろうか?

「これはアスカの道標だ。ボクが触れてはいけない」

 すんでのところで手を引き戻す。

「砕けよ」

 手を振る。自由張は泥の中へと沈み、溶けて消えた。

「あれはボクには似合わない。眩し過ぎる」


 なぜ触れてはいけないのだろう? きっとあれはボクのものなのに。




「ボクはアスカ。二宮飛鳥」

 静かに自覚する。

 なぜボクが自由帳を秘密のままにしていたのか。
秘密をアスカに知らせるというコトは、弱みをアスカに握られると言うコト。
ボク利用する為に、突け込ませる余地を与えるというコト。


 アスカ以外は全て敵。
ボクにも心を許せない世界を生きてきたアスカにとって、それはどれだけの恐怖、どれほどの危険か。





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