468: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/04/17(日) 23:11:26.65 ID:9cSMv6Rc0
しかし、その目論見は大きく外れた
大尉はカッと目を見開くと、椅子が倒れるのもお構いなしに立ち上がり、
「今……何と言った?」
そのまま真っ直ぐに目の前の彼女を見据えて問いかける
口調は静かなものであったが、その裏には激しい怒りが込められていた
隣で聞いているだけでもピリピリとした緊張感が伝わってくる
当の本人は完全に気勢をそがれて、答えかねていた
「何と言ったと聞いている!」
次の瞬間、烈火のごとき怒り本条大尉から噴出した
怒った拍子に叩き付けられた机は振動し、山積みにされていた書類がバサバサと落ちて行った
その様子にもう1人が慌てて止めに入る
しかし、そんなもので今の大尉が止められる筈も無かった
「助けたくないはずがあるか!」
「出来ることなら、今すぐにでもここを飛び出している!」
「だがな……そうしたくても、私には出来ないのだ」
抑えつけていた感情の箍が外れたのだろうか、怒髪天を衝いていた声は次第に誰かに言い聞かせるようなものへ変わっていた
もはや彼に割って入ろうなどいう者はいない
自分も左右の彼女も、ただ黙ってその話に耳を傾けていた
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