469: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/04/17(日) 23:17:18.91 ID:9cSMv6Rc0
「普段の状況ならば、言われずとも救出に向かっている」
「だが、今はそんなことが出来る状況ではない」
「多くの戦力を先の海戦で失い、残った大半も呉の聯合艦隊へと徴収された」
「今の私には、この鎮守府を守るの事で背一杯なのだ」
ひとつひとつ確かめるように、自らの置かれた状況とその胸中を独白する
様々な要因で拠点を守りきることができる限界の戦力しか保有できていない現状、
戦力になる艦娘に対して、実戦経験が乏しい艦娘が多数いるという鎮守府の状態、
そして、1人を生かすために2人を殺すような作戦を立てることが出来ないとういう指揮官の苦悩
深夜の執務室には、海軍の司令官としての本条大尉と彼女たちの仲間としての本条誠、そのふたつに板挟みにされた1人の人間の姿があった
「ハッ、余計なことまで口走ってしまったな」
話を終えた本条はそうやって自嘲気味に笑うと倒れた椅子を戻しにかかった
今にも部屋を飛び出して行きそうだった彼女は俯いたまま、その場で立ち尽くす
もう1人の方も、何と声を掛けたらいいか分からないといった風に左横で固まっていた
「さて……」
倒れた椅子に座り直した大尉は、曲がっていた制帽のツバを正してこちらを向き直る
反射的にこちらも姿勢を正し、その話を聞く準備を整える
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