496: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/05/02(月) 00:25:57.20 ID:w0GFhXIn0
全速力で彼女の元まで向かっても、救出作業中に敵艦と遭遇するのは必至
敵の砲撃を喰らって共倒れすることも十分に考えられた
無傷で助ける可能性が残っているとすれば、敵が追撃を諦めるか、彼女が自力で敵の到達海域から離脱することだが、
獲物を見つけた敵が進路を変更することもなければ、負傷した彼女が自走することも考えられない
つまりは、彼女を救出するにはあの敵と戦う他ないということだった
「全艦消灯だ」
「必要最低限まで電源を落とすように伝えろ」
考えあぐねた結果、ひとつの答えを出す
現状はほぼ最悪に近いが、唯一こちらに有利に働くことがあった
それは、敵が自分たちに一切の興味を示していない事だった
こちらを発見出来ていないのか、それとも優先目標に設定していないのかは不明だったが、不意打ちをする機会はある
その一点を付けば、速度と火力を兼ね備えた敵であっても勝てるはず
『……分かりました』
『それで、少尉』
指示を受けた大久保は確かめるようにこちらの名を呼んだ
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