512: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/05/22(日) 22:03:14.53 ID:a8UQq4dj0
戦闘配備の命令を下してから、十数分
自分たちを乗せた船は敵の通過が想定される航路上で静止していた
左舷に見える東の空は深い藍色から濃いブルーへと変わっていた
あと1時間もすれば空も白み始め、垂れ込めていた夜の帳も上がるだろう
「……夜明けか」
前方で舵輪を握る井上が独り言のように呟くのを耳にする
思えば、襲撃の一報を聞いてから夜を徹しての作業であった
果たしてこのまま夜明けを迎えられるかは分からない
しかし、もう引き返すわけには行かない
「大久保、敵との距離は」
芽生えた不安を噴き飛ばすように彼我の距離を確認する
「現在7.5キロ」
「なおも接近中です」
問いかけられた大久保はじっとレーダーサイトを睨みつけながら答えた
その答えに『そうか』と返し、正面に広がる海を見据える
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